2017
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落雷から身を守るために

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この記事は2002年10月25日に執筆・掲載されたものです

「死傷者数の多い災害」

 落雷による災害は、自然災害の一つです。自然災害と言えば、土砂災害や洪水などを思い浮かべますが、雷災害も死傷者数の多い災害です。毎年、落雷による死亡事故が絶えることはありません。これからの時期は雷の発生しやすい時期です。また、夏休みや休日に野外のレジャーを楽しみ、屋外で仕事をされる方も多いと思います。今回は、落雷から自分の身を守るためにどのような対処をすればよいのか、具体的な危機管理を考えます。

 さて、落雷による人体への傷害は次の4つ場合があります。
inazuma.jpg(1) 直撃による傷害
(2) 落雷を受けた物体から放電による傷害
(3) 落雷で地表面を流れる電流による傷害
(4) 電線や金属管を伝わる高電圧による傷害
このうち、 (1) の雷の直撃では、屋外の開けた場所で雷雲から直接、落雷を受けて、人体中を高電流が流れることによって、心肺・呼吸が止まり、死亡します。その死亡率は約80%と言われています。その他の3つのケースについても、ヤケド、しびれ、痛みなどの傷害を負い、場合によっては死亡する可能性もあります。いずれにしても、落雷から身を守るためには、「落雷を受けないこと」が大切です。それでは、落雷を受けないためにどのような対処をすればよいのか考えます。

落雷に対して安全な場所

denkikigu.gif 雷による電流は金属を伝わって流れる傾向があります。したがって、丈夫な金属で囲まれている自動車、バス、列車、鉄筋コンクリートの建造物の内部は安全です。丈夫な木造建築の内部も落雷に対しては安全です。しかし、テントやトタン屋根の小屋の中は、雷の被害を受ける危険があります。

屋内の中でも潜む危険

denkikigu.gif 屋外から屋内に入ってくる電線などがあれば、雷の高電流が電線や水道管、配水管を伝わって感電する恐れがあります。したがって、コードがコンセントにつながっている電気器具からは1m以上離れること、また、激しい雷雨中は、炊事や洗濯はとりやめることが安全です。

屋内に避難できない時は?

shiseihahikuku.gif 雷は、海、平地、山など、場所を選ばず落ちますが、高い物体に落ちる傾向があります。もし、高さ5m以上30m以下の高い物体(建物、塔、煙突、クレーン等)があれば、てっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲で、その物体から4m以上離れた場所で足を揃えてしゃがんでいれば比較的安全です。
 しかし、高さが30m以上の物体は、高さに応じて安全になる範囲は広がらないと言われています。したがって30m以上の高い建造物に避難する時は約30m以内の距離の範囲内に姿勢を低くして避難してください。

金属類を体から外しても危険

tsurizao.gif 「雷は体から金属類をはずせば安全」とよく聞かれますが、これは大きな間違いです。金属類を外しても安全ではありません。屋外に立っていると、雷は金属の有無に関係無く、人に落ちる可能性があります。ただし、避難する時、金属を身につけていてもいいですが、傘などをさしたり持ち物を自分の頭よりも高く突き出さないことが必要です。
特に、釣り竿や、ゴルフクラブ、テニスラケットなど、屋外でのレジャーやスポーツ時には注意してください。

高い木や森、林は危険

takaiki.gif 高い木は落雷の可能性が非常に高いと言われています。高い木のそばにいると、木の幹や枝から落雷による高電流が人へ飛び移る恐れがあります。高い木からは離れて、すぐに安全な場所に避難することが重要です。このことは森や林の中に居ても同じです。もし、激しい雷雨に見舞われた時には、木がまばらな所で、幹、枝、葉先から離れて、姿勢を低くしてください。
 以上をまとめると、落雷をできるだけ受けないためには、以下のような約束事があります。
・激しい雷雨になれば、速やかに安全な屋内に避難すること
・屋外での避難では、木や物体のそばに近づかずに、姿勢をなるべく低くすること
・落雷があっても、すぐに移動しないで、雷雲が通りすぎるまで待つこと
 しかし、これらのことを守っても、危険が100%無くなるわけではありません。落雷という現象は非常に予測不可能な部分が多く、雷鳴が聞こえなくても、突然落雷が発生することもあるからです。
 大切なことは、テレビやインターネットなどの気象情報を通して、雷注意報が発表中であるかどうか、あるいは午後の雷雨の可能性を前もって知っておくことが大切です。その上で、実際に雲行きがあやしくなれば、早めに安全な場所で待避するなど、皆さん自らで判断をしなければいけません。
 「自分の身は自分で守る」ということは落雷事故にも言えることなのです。これからが本格的な雷のシーズンです。落雷事故に遭わないためにも、日頃から雷に対する危機管理を心がけてください。

【参考文献】日本大気電気学会編集「雷から身を守るには」

(文責:レスキューナウ 寺本)

※この記事は、2000〜2004年頃の「rescuenow.net」に掲載されたものを再掲載したものであり、筆者の所属や登場する団体名等は、このコラムの執筆当時のものです。

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