2015
10.0717:00

相互直通運転とダイヤ乱れとの関係性(東急東横線について)

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相互直通運転は所要時間の短縮、乗換駅や並行線区などの混雑緩和など様々なメリットがあり、特に首都圏では活発に行われています。一方で、それまでの始発駅が途中駅に変わって着席ができなくなる、乗換駅でなくなることによる商業価値の低下、ダイヤ乱れが波紋のように広範囲に伝わってしまうなどデメリットもあります。

そこで、2013年に東京メトロ副都心線との相互直通運転(以下、直通運転)が始まった東急東横線の配信データをもとに、ダイヤ乱れの回数や長さにどのような影響があったのかを見てみたいと思います。

■直通運転開始による運行形態の変化
はじめに、直通運転開始によりどのように運行形態が変化したかについて触れておきます。

TY01
2013年3月16日、東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転が開始され、従来から東横線と直通運転を行っていた横浜高速鉄道みなとみらい線、また副都心線と直通運転を行っていた西武有楽町線・池袋線、東武東上線の合わせて私鉄5社6路線が直通運転を行う大規模なものとなりました。
一方で、中目黒~菊名駅間で行っていた東京メトロ日比谷線との直通運転は取りやめられました。

■ダイヤ乱れの回数は増加
それでは、直通運転により「ダイヤ乱れ」は増えたのでしょうか。

TY02
※『他の線区』に該当するもの ★=東横線と直通運転していない線区
2012年:みなとみらい線、東京メトロ日比谷線、★東武伊勢崎線(日比谷線中目黒駅まで直通運転)、★東急田園都市線
2014年:みなとみらい線、東京メトロ副都心線、西武有楽町線、西武池袋線、東武東上線、★東京メトロ有楽町線(副都心線と一部区間を共用)

これは2012年(直通開始前)と2014年(直通開始後)の配信データを用いて、何らかの配信を行った(=平常運転でない)件数を示したものです。
内訳として東横線内に原因があるダイヤ乱れは27→32件と微増している一方で、他の線区に原因があるダイヤ乱れは9→36件と4倍となっています。
これらを合計すると配信件数は36→68件とほぼ倍増しており、利用者の実感としては「よくダイヤが乱れるようになった」となるのではないでしょうか。

■平常運転に戻る時間は変わらず
一方、回復時間(ここではダイヤ乱れが発生(配信)してから平常運転に戻るまでの時間とする)についてはどうでしょうか。
直通運転では他社の様々な車両も入り交じって運行されています。ダイヤが乱れると、予定通り元の会社に車両が戻れないなどの問題も発生し、複雑な整理が必要となります。

TY03
ここでは、直近5年間と今年9月末までの回復時間の平均(棒グラフ中に数値を表記)と標準偏差を算出しました。
先ほどと同様に2012年と2014年に注目すると平均時間は210.5分→245.3分となっており、一見回復時間の長期化傾向が表れているようですが、2014年は2度の記録的な大雪に見舞われたほか、東横線では大雪を原因とする追突事故も発生し、始発から最終までダイヤ乱れが生じた日もありました。このため、2014年はデータのばらつきが大きい年であるに過ぎず、2009年以降のすべての年を通して見てみると、長期化したとまではいえないのではないでしょうか。また、ばらつきが大きい顕著な例として、東日本大震災による間引き運転などの影響があった2011年では、枠内に収まらないほどの大きな数字(5892.2±7867.1分)になっています。

以上から、東横線と副都心線の直通運転開始により、
・東横線を原因とするものが特別増えたわけではないが、直通運転開始によりダイヤ乱れの回数は増えた。
・ダイヤ乱れ後、平常運転に戻るまでの時間には大きな変化は見られない。

という影響が確認できました。

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