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06/04/24 (月) 17:37 更新
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Vol.67 ■地震によるエレベータ閉じ込め

エレベータの閉じ込めに遭遇しても、救助が来るまで冷静に対応したい。

■震度5で6万基以上停止
 


閉じ込められても悲観せずに冷静に救出を待ちたい(写真はイメージ/提供:フォーバイフォーマガジン社)

オフィスビルや高層マンションなどに欠かせないエレベータ。大きな地震の際は緊急停止し、缶詰状態になってしまうことがある。東京都足立区で震度5強をはじめ関東地方で震度5弱を観測した2005年7月23日の地震では、建物被害がほとんどなかったにもかかわらず、1都3県で約6万4,000基が停止し、78基の閉じ込めトラブルが起きた。

地震は土曜日の夕方4時台に発生したが、もし平日の通勤時間帯であれば被害が深刻化したのは間違いない。「地震時管制運転装置」を備えたエレベータは途中階で緊急停止し、作業員が安全を確認してリセットするまで復旧しない仕組みとなっているからだ。


外部との接点はこのボタン

 
■ 足りない復旧作業員
 

日本エレベータ協会によると、協会に加盟するエレベータメンテナンス会社が管理するのは首都圏で約22万7,000基。復旧に関わる作業員は都内だけで約2,600人というから、作業員の絶対数が足りていないのだ。7月の地震では交通機関が麻痺したため、作業員が現場に到着するまでに時間がかかり、1日近く閉じ込められたケースもあったという。

政府の中央防災会議が行った予測では、東京湾北部で地震が起きた場合、マンションのエレベータは18万基停止し1,500人、商業ビルで12万基停止し1万1,000人、合わせて30万基、1万2,500人の閉じ込め被害を想定している。

では、対策は進んでいるのか。国土交通省によると、首都圏のエレベータの約7割は「地震時管制運転装置」を導入している。7月の地震時の閉じ込め被害を重くみた内閣府などは、この装置の導入を義務付ける方向で検討している。製造とメンテナンスを行っている東芝エレベータ(東京・品川区)は10月から、エレベータ内から連絡を受ける「サービス情報センター」の電話回線数を1エリアあたり10倍に増加させたほか、全国10数か所のセンターを2か所に集約するなどの対策を講じている。

 
■ 次の1本を待つ余裕を
 

利用する側は何か心得ておくことはないだろうか。乗る前に出来る危機回避策は、混みあっているエレベータに乗らずに、次のエレベータを待つ余裕を持つことだ。また、自分が普段使うエレベータは最寄り階に止まる最新式のタイプであるのか把握しておき、そうでない場合は極力利用を避けるというのも方法だろう。

地震発生後では、避難の際にたとえ高層階にいてもエレベータを使ってはいけない。高層ビルは免震・耐震構造になっていることが多く、揺れが激しくなることもあるが倒壊の危険は少ない。避難時にエレベータが動いていても、余震でストップする危険性もある。火災が発生している階で止まって扉が開くこともありうる。揺れが収まるのを待ち、状況をみてあわてずに階段で避難すればよい。

運悪くエレベータに乗り合わせているときに被災した場合は、どのように対応したらよいだろうか。自動的に最寄りの階に止まるエレベータでない場合、すべての階のボタンを押して、最寄りの階で降りられないか試し、止まったら速やかに降りること。ここで脱出できれば幸いだが、それが不可能だと「長期戦」を覚悟したい。その場合は非常ボタンを押し続け、非常電話(インターホン)で救出を呼びかけること。救助が来るまではいたずらに体力を消耗しないような工夫が必要だ。悲観せずに冷静になり、周囲で励まし合ったり、具合が悪くならないうちにしゃがんでしまうのもいいだろう。手持ちのペットボトルなどで水分を補給したり、菓子類を口にしてもよいだろう。

 

 
■ エレベータ内にも備蓄を
 

最後に、エレベータという密室に長時間閉じ込められる可能性があることを考えると、エレベータにも長時間やり過ごすための災害備蓄という発想があってもいいように思える。気分が悪くなって戻してしまったり、排せつを迫られる人も出てくるかもしれない。満員の状態で停止したままになることを考えると、深刻さが分かる。こうした修羅場を回避するためにも、ラジオやライト、水、菓子、簡易トイレや簡易毛布などをエレベータの天井裏などに設置しておくなどの備蓄をこの機会に提案したい。


エレベータを移動手段だけでなく、動く生活空間ととらえてもよい

 

関連リンク
日本エレベータ協会
東芝エレベータ
 
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