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03/05/27 (火) 12:01 更新
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vol.35■梅雨末期の集中豪雨
  6月から7月にかけての初夏の長雨は「梅雨」と呼ばれます。
そもそも梅雨という言葉は、中国から伝わってきた言葉です。中国では揚子江流域で、梅の実が熟す時期に雨期があり、それから梅雨と呼ばれるようになったようです。
さて、そろそろ日本の梅雨は後半戦を迎えています。(沖縄地方は6月21日頃に梅雨明け)春夏秋冬という四季のサイクルの中、これからの梅雨の末期は一年のうちで、最も集中豪雨による災害が発生しやすい時期と言われています。

災害の発生する気象的な主な理由としては、
 ・湿った空気に刺激されて梅雨前線の活動が活発になる
 ・長時間にわたって、大雨が降り続きやすい
ということが挙げられます。

最近で、梅雨末期に発生した集中豪雨災害の例として1999年6月29日から30日にかけて、西日本の広い範囲で被害が出た災害が挙げられます。この災害は2つの点で、近年の社会状況の変化を背景とした気象災害であると言われています。
 
都市化による被害の助長
 
記録的豪雨に見舞われた福岡市では、御笠川(みかさがわ)から水があふれ出し、排水処理能力をはるかに越えた雨水は行き場を失いました。水は地盤の低いJR博多駅付近に押し寄せ、さらに地下街へと流れ込みました。このため女性一名が逃げ遅れて亡くなっています。また、浸水に弱い地下施設は完全にマヒし、市民生活に大きな影響を与える結果となりました。この災害は新しい都市型災害の一つとされています。
福岡市の被災写真
写真提供:グローバルアーク株式会社
 
もろい急傾斜地の近くに宅地開発
  集中豪雨が襲った広島県では、呉市を中心にいたるところで土砂災害が発生し、大きな人的被害が出ました。地質的にみて、中国地方には花こう岩地帯が多く分布していて、風化によって、もろい“まさ土”となります。今回の土砂災害は、多量の雨で泥状になった“まさ土”が土石流となって、住宅地をのみこみました。また、近年の宅地開発により、住宅地が急傾斜地の手前までおよび、 被害を一層大きくしたと指摘されています。
(広島県は急傾斜地崩壊危険箇所、土石流危険渓流の数、いずれも全国一の数)

この集中豪雨の原因別死者数です(判明した38名分)
 
土砂災害(土砂崩れ、土石流など) 27人(71%)
増水した川に転落 9人(24%)
冠水による水死 2人(5%)
 
 
このように、土砂災害によるものが圧倒的に多くなっています。その他、特徴的なのは増水した川に転落して死亡例も4分の1を占めていることです。これは、災害の発生時間が昼過ぎから夕方にかけてと人間の生活活動の時間と重なったためと考えられます。逆に言えば、増水した川等、危険な場所に近づきさえしなければ防げたものと考えられます。また、この災害では行政から住民へ避難の勧告が遅れたという側面がありました。
広島市の写真
写真提供:アジア航測株式会社
 
  行政からの避難勧告通知の遅れは、この集中豪雨災害だけでなく、ほとんどの気象災害でおこっています。人の判断が自然の猛威のスピードに追いついていけないのは、当然のことなのです。
梅雨末期の集中豪雨は短時間に多量の雨が降り、わずか数時間で事態が急変します。大切なことは、自分の身に少しでも危険を感じたら、早めの避難をすること。
また、雨が降っていようが、降り終わった後であろうが、決して危険な場所には近づかないことです。これからが、梅雨の集中豪雨が発生しやすい時期です。
この機会に気象災害から身を守る、みなさん自らの危機管理を考えていただければ幸いです。                     (文責:レスキューナウ 寺本)
 
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