02/11/04 (月) 0:51 更新
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Vol.15 ■海で溺れないために
「リップカレントにご注意を」
今回のワンポイントレスキューは、三宅島でライフガードをしていた木村加奈子さんによる、海水浴の予備知識と、海の危険とその対処法をおおくりします。
今年の夏はどこの海へ遊びに行きますか?
熱い太陽の下で海に飛び込む、これはとても気持ちが良いことですよね。
しかしここで声を大にして言いたいことは、海水浴では絶対に「無理をしない」で欲しいということです。楽しい海水浴を規制するつもりは全くなく、安全に泳いでもらうためのお願いです。いくら海に来たからといって、無茶な遠泳やふざけ合い、自分の背丈よりも高い波に立ち向かうことはとても危険です。
海で溺れた人の多くは、睡眠不足や飲酒が多く見られます。言うまでもないのですが十分な睡眠をとり、休憩をしてから海に入ることをお薦めします。普段慣れない海で泳ぐことは、体に大きな負担を与えます。ただでさえ夏の強い日差しに当たって、体力を消耗しているのですから。その日の天候をはじめ波高、潮流、そしてコンディションと溺れにつながる要因はいくつもあり、予期出来ません。けれど少しの配慮で予防はいくらでも出来るのです。以上のことを守って、楽しい夏の思い出を作っていただきたいです。
でも事故は起こるのです。
三宅島の観光客の多くは、約7時間かけて船でやって来ます。
これがまた夜10時半に出航し、翌朝6時前に着くので、慣れない船旅の上に皆睡眠不足で上陸するのです。どこの宿でも仮眠を勧めますが、あの青い海と空 ・そして目前に広がる雄山を見たら、もう眠気は飛んでいきます。
そのような状態で海へ遊びに来るのです。
ある夏のお盆前、その日の朝上陸した若者グループがやってきて、浮き具やシュノーケルを持って、海に飛び込んで行きました。
しばらくすると一人の男性が不自然な浮き沈みを始め、バシャバシャともがき始めたのです。すぐに救助に向かいましたが、その男性だけ集団から少し離れていた為、グループの方は全く気付いていませんでした。
浜に引き上げると、大量に水を飲んでいたのでむせてはいましたが、意識はハッキリしていたので大事には至らずにすみました。また「ショック状態」にあったために、ぐったりしていて顔面蒼白・震えが見られました。
話を聞くと、三宅島初上陸で泳ぎに不安があり、急に足が着かなくなった上に
波をかぶり、慌てて溺れてしまった、とのことでした。
関東周辺で皆さんがよく行かれる湘南近辺の海は、大抵遠浅です。 しかし三宅島は、2・3歩海に入るとすぐに4〜5mの深さなのです。
「どん深」と呼んでいるのですが、当然、初めて入った人はビックリです! 上記の救助した方も、それを知らずに勢いよく飛び込んでしまったようです。また余談ですが、三宅の海水は、しょっぱいので飲むと辛いんです。
その後男性は1日安静に休んでもらい、翌日元気な姿でまた海にやって来ました。
また、海水浴の予備知識として、
リップカレント(離岸流)
という流れがあります。
これは通常海岸から海へと向かう早い流れで、それに逆らい岸へと泳ごうとすれば体力を消耗して、外洋へ吸い出されてしまうのです。波や海底の水の動きによって砂の盛り上がり
(サンドバンク)
がつくられ、波うち際付近でダムのような、戻ってきた水の流れを防ぐ役目をします。すると水はサンドバンクにそって戻る場所を探し、それと波打ち際の間に水の流れを生み溝が出来ます。この溝にそった流れの水は次第に増えて、流れをも早めます。早い流れは水の力を強くし、サンドバンクの弱い部分を決壊し水は沖に向かって流れ出します。これが
リップカレント
です。
もし自分がリップカレントに乗ったと分かったならば、決して直接岸に向かって泳ごうとしないこと。最も簡単な脱出方法はパニックを起こさず、リップカレントに対して垂直に流れのないところまで移動し、それから泳いで浜に戻ってくることです。
リップカレントの見分け方として、
・波が崩れた後に出来る泡やゴミが沖に向かって流れている。
・海岸の砂が巻き上げられて濁り、周囲の色と異なっている。
・海水浴場で一部だけ遊泳禁止になっている。
これらの場所には、近づかないで下さい。ご不明な点がありましたら、各浜のライフセーバーまでお尋ね下さい。
上記の点に気をつけて海水浴を安全にお楽しみ下さい!
三宅島ライフガード 木村 加奈子
【関連リンク】
第四管区海上保安本部 水路部 【リップカレントについて】
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