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みゃるの避難日記 三宅島から遠く離れて
三宅島・雄山の噴火で火砕流の被害にあった神着地区にあるペンション、SNAPPERSを (スナッパース)ご主人と経営されている、みゃること野田理恵(のだ りえ)さん。 ペンションが火砕流に直撃されるという予期せぬ災害にあって、その状況を冷静に インターネットで発信し続けたみゃるさんに、雄山での出来事を綴っていただきます。
   

9-1. 降灰翌々日

 
窓がきれいになって、外の様子が、いつも見えるようになると、それだけで、結構落ち着くものだ。
昨日は、文句を言ったけれど、やっぱり、ありがたい。

三宅島のこの降灰は、全島ではなく、この辺りが最もひどいらしい。
交通止めで、外の様子が良くわからないけれど、テレビのニュースはもっぱら、昨日おきた新島の大きな地震になってしまった。

実は、私は子供の頃から、地震にかなり無頓着である。
別に感じないわけではないけれど、震度3ぐらいだと、ふーん、で終わってしまう。テレビの速報で、気が付くこともある。

避難してきている友人の様子を見ると、普通の人は、地震がおきると、結構怖いらしいということがわかった。
とは言っても、もう、地震に慣れてしまって、「今のは震度3!!」なんて、震度当てをしたりしている。
この噴火で、もしかしたら、一生分の地震を体験したかも。
阪神のように大きなものでなく、小分けにして何回も。

あんまり暇なので、2階客間のベランダの、こびりついた灰落としをすることにした。

無駄に、飾りのような溝がある。サッシの敷居に詰まった灰は、割り箸でゴシゴシ削り取る。厚みがあるところは、うまくやると、バコッと固まりで取れるのだが、半端なところは、プラスチックのちりとりや、ベニヤ板などでゴシゴシするしかない。
サッシの手すり部分は、どんなに気を付けても、細かい傷だらけになった。

 

 

周りの木々にも、灰がこびりついて、景色が変わった。
辺りは灰色になった

西の角にある客間のベランダに出たとき、濃いグレーの灰の上に、
目を引くものが落ちていた。

カメムシだった。
それは、エメラルド色で、周囲のツヤが全くなくなった世界の中で、美しく、光っていた。
生かすも殺すも難儀なこの虫を、美しいと思うなんて。

どこから飛んできたのだろう、思わず、危険を忘れて、手に取ってしまった。
まだこの辺りには、この虫が、こんなに綺麗でいられるような、灰をよけられる場所があるらしい。
カメムシは、私の手の体温がイヤなのだろうか、掌にのぼると、動きを早めて、指先から飛んでいってしまった。
(9-2へ)
 

(野田理恵)

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