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みゃるの避難日記 三宅島から遠く離れて
三宅島・雄山の噴火で火砕流の被害にあった神着地区にあるペンション、SNAPPERSを (スナッパース)ご主人と経営されている、みゃること野田理恵(のだ りえ)さん。 ペンションが火砕流に直撃されるという予期せぬ災害にあって、その状況を冷静に インターネットで発信し続けたみゃるさんに、雄山での出来事を綴っていただきました。
   

7. 雄山再噴火

 

  まるでエアポケットのように、夏の景色を眺める時間ができた。
仕事に関係ない夏を感じるのは、何年ぶりだろう。
 実は、毎年夏は、朝5時前から夜は11時まで、ほとんどの時間を厨房で過ごしている。
外に出るのなんて、買い物に行くときだけ。
自宅の家の窓から見える景色以外の、夏の海や景色を見るのも、買い物に行くときだけだったりするのだ。

 しかも、厨房以外の窓の外を見る事すら、ほとんどなかったりする。
だから、東京にいた頃よりも、色が白かったりする。
焼かないようにしているのではなくて、運転中に焼けちゃう右腕以外、日に当たる時間がないのが、本当のところ。
昨日、結局船で島に帰ってきて、1日中ぼーっと過ごしていた。
 

三宅島の海
東京で購入し、船に乗せ込んだ車が、今朝到着した。それに積んである、仕入れた物を各所に収納しなければいけないけれど、お客さんが来る当てがなくて、「ま、いつでもいいか。」と思ってしまうと、気合いが入らない。三宅空港

自分の家だけど、ゴロゴロ寝そべることなど、これまでほとんどできなかった、店側のフロアの掃き出し窓から、村道を挟んで向こう側の、空と木々の葉っぱを眺めていた。
生い茂って、こちらの家も生活も飲み込みそうな緑。
人間の生命力と比べたら、絶対に草木の方が上なんだろうな、と、毎年思う。
 でれでれ過ごして、夕方になったら、島下にある友人宅にお夕飯のお呼ばれ。
冬場に一緒に食事はよくあるけれど、夏場は、はじめてかもしれない。
いろんな話をした。

 ダイビングショップは、なんのかんの言って、稼ぎ時が短い。しかも、島の中の様子を常に見せて知らせる術がない。
前もっての電話予約だけが全てなので、既に入っていた予約が全部消えてしまった今、穴が埋まることはないだろう。
 もちろん、噴火が、必ず冬に起こるなんて考えてはいなかった。
でも、報道陣もいなくなって、静まりかえったこの島に、広がる青い空と凪の海。なんて、もったいないんだろう。
手をこまねいている私達、なんて情けないんだろう。

  ところが、今日は朝方、噴火で降灰があった。
村営バスは運休になったようで、学校も休みになったらしい。
なにしろ、ここは、積極的に外に出ていかないと、村の中の様子が分からない。
 庭の車がうっすら汚れている。
どうしたもんか、と思いながら、テレビを見たり、東京で買い込んだ荷物の整理をしたり。
電話が来た。もう、ほとんど消えて残り少なくなった予約のキャンセルだろうか?それとも、新たな予約だろうか。そんなわけないか。

「外見て。すごい噴火している。」

 

(野田理恵)

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