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みゃるの避難日記 三宅島から遠く離れて

2-2.夜が明けて・・・さらに大騒ぎ。

 

 
真っ青に晴れた空をバックに、濃い緑がきれいな雄山の山頂はいつものまま。
ヘリが行ったり来たりすることだけが、初めて見る景色。

いったい何百のカメラが山頂を見つめているんだろう。
こっちからでは、溶岩が流れるのを見られる可能性は低そうだ。

まあ、とにかく、噴火の方はテレビに任せておいて、何人分になるかわからない、夕飯をどうするか考えなくては。おかずは、とっさに弁当にもなる方がいいな。

自衛隊のヘリコプター

昨日から来ている普通のお客さん達には、予定を切り上げてもらうことにした。
昼食用のお弁当を持たせて、港に送る。大変な目に遭わせてしまって申し訳ない。
せっかくの有給を無駄にさせて、ごめんなさい。
「じゃ、落ち着いたら、またきまーす。」
今度来たときは、たくさんサービスしますね。
 友人が、巨大なカンパチと化け物のようなハマフエフキを持ってきてくれた。
なんでも、港で漁師にもらったらしい。客がいないので、家にくれるという。
ありがたい。相当食べでがある。
まてよ。今夜中に食べないと冷蔵庫に入らないじゃないか。
巨大なタイの頭。どうやって切ればいいんだ?それとも、バーベキューで、そのまま焼くか。うーーん。噴火の取材できているマスコミの人達の夕飯がバーベキューっていうのは、ちと、まずかろう。どうしよう。
 夕方になり、今夜泊まる予定の人たちが、帰ってきた。
といっても、一番大所帯は、数名でグループを組んでいて、ローテーションがあるらしい。すぐに出て行ってしまうグループと、夜中の出番に備えて、いきなり寝るグループ。予想外の動きだ。順番に、避難所に詰めるとのこと。
確かに、噴火は、昼間起こるとは限らない。言われて気がついた。
 避難所に行ってみたい。私たちをかわいがってくれている人達、不自由しているだろう。とても心配。たぶん、お風呂なんてないだろう。
体育館の床に寝ているのだろうか。布団もなくて、身体が痛いだろう。
家には、布団が有り余っているというのに。家に来るのがいけないのなら、せめて差し入れを持っていきたい。マスコミのクルーに混じって、うまく潜り込めないだろうか。避難所で、一番欲しい物ってなんだろうか。
 それにしても、避難所に行った人たちは、ちゃんと食べる物があるんだろうか。
避難所で配られる食べ物って、なんなんだろう?
それより、誰も「家に来る」、って言ってくれなかった。
避難所の方がいいのかな。それとも知り合いの家に避難しちゃいけないのかな。
なんか、寂しい。同じ島なのに、地区によって、違う過ごし方。
避難所がどういうところなのか、同じ島の人間なのに、ぜんぜん、わからないなんて。
 そんなことを考えながら夕食の支度をした。
夕食は、それぞれの仕事の終わりに合わせて、何回にも分けて出した。
今まで経験したことのない動きなので、不都合もある。
明日からのメニューは少し考え直さなければならない。
 その晩は、「お休みなさい」はなかった。みんな、「待機」状態。
ふと、有珠山のことを思い出した。有珠でも、こんな風に、山が噴くのを、今か今かと待ちかまえる攻防があったのか・・・。

 
 
(野田理恵)
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