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今朝、自衛隊が島に来たらしい。テレビで見て知った。
昨日あたりから、「来るって話だよ。」というのは、耳にしたが。
テレビを見ながら思った。ホントは、6月にも思った。
「なんで、自衛隊の人達は、敵から身を隠す必要もないのに、迷彩服なんだろう?」
いや、待てよ。東京での演習とかでも、あの迷彩服だ。
自衛隊だとわかるようにするため?でも、6月の時点では、三宅では、あの迷彩は、完全に保護色になってしまう。
今回の迷彩模様も、前と同じ。保護色目的だったら、デザットタイプなのかな、と期待しただけに、ちょっと残念。
「なにゆえ迷彩模様」の謎は深まるばかり。
自衛隊の人達がいっぱいいる時に、ちょっと使いにくくなるものが家には、いくつかある。
迷彩模様のTシャツや短パン。迷彩模様の財布。迷彩模様の炊飯器。迷彩模様のポリバケツ。
服の類は、しばらくの間自重するとして。
炊飯器は、人様に見せるものではないから、まあいいとして。
ポリバケツは、しょうがないから、ゴミ捨ての時に、中身だけもって出ることに。
財布は・・・毎日使っているもので、なじんでいるから、隠し持って使うか。
迷彩模様の炊飯器やポリバケツ。これは非売品、というか、スプレー式のペンキで作ったもの。
昔はバケツとか、冷蔵庫とかいろいろあったけれど、今はこれだけ。
「バッカだなー」と思う反面、ポリバケツも炊飯器も、妙な威厳が出るといえば、そのとおり。
以前、私が乗っている車も、「迷彩模様にしよう」、といわれたこともあったが、緑の多い島の中で、目立たなくなるのは危ないので、断固拒否した。
その代わり、カッティングシートでシマウマ模様にしたい、といったら、逆に嫌がられてしまった。しょうがないので、独りでちょっとだけ貼ってみたら、どういう訳か、鯨幕のようにしかならない。嫌になってすぐ止めてしまった。
しばらくしてから気がついたのは、シマウマの模様は、ただのストライプじゃなくて、結構複雑だったということ。
それに気づけば、うまくできそうだったけれど、すごく面倒くさい作業になる事も判明したので、なかったことにした。私は根気がない。
島の中では、自衛隊が来ることを「やっと」という雰囲気がある。
一方、「来たってしょうがない。」という向きもある。
なぜなら、今回、自衛隊に手伝ってもらえるのは、厳しい制約があるから。
事前に、なにやら「御触書」が配付された。
夫婦共に65歳以上、息子、婿がいないこと・・・。
自衛隊がする作業は、灰を屋根からおろすだけで、それ以外の一切の作業はタッチしない云々。
あまりの厳しい項目の羅列に、「こんなの全部該当する世帯がいくつあるんだよ。」と突っ込みたくなった。
しかも、東京に息子がいてもダメだとか、旦那は80過ぎているけど、奥さんが64歳だからダメだとか、何のために自衛隊に来てもらったのか、全く理解できない。
こうまでして、人を苦しめて、守っているものは何なのだろう。
私の身近には、該当する家が少なかったのか、自衛隊が灰下ろしをしている姿を生で見ることはできなかった。
でも、自衛隊に来てもらったというおば達の話を聞くと、本当にうれしそうだった。みんなどんなに親切で、どんなに力強く、どれほど優しくしてもらったか、とくとくと話される。
家は、灰はないんだけど、テレビで見ていると、うらやましいなーと思う。
何かして欲しい、というのではなくて、頼れるものがあるという、心の支えが欲しいのだろうか。
心の支え。
この島では、非常時に、力のあるものが、必ずしも弱い者の味方でないこと、頼りにはならないらしい。
だから、自衛隊の人達がいるだけで、安堵の雰囲気が生まれるのだろうか。
私など、その姿さえ、まだあまり目にしていないのだが。
作業日程中、1日の仕事が終わると、なのか、自衛隊の車両が、三池浜に停まっていた。そばにいって見ると、すごく大きい。
運転する前の一訓練、まず車によじ登らなければならない、といった感じ。車も迷彩なのかと思ったが、迷彩柄なんてない。
おなじみの緑色。なんだか、触ったりすると、怒られそうなので、運転席の中は見ることができなかった。
というか、手がかり足がかりがわからなくて、よじ登れなかったというのが本当。
そして、自衛隊が上陸して、1週間後。
夕方、大久保浜にさしかかると、漁港近くに大きな口を開けた自衛隊の船が停泊していた。
船の乗り口までの砂利浜に、一筋に鉄板が敷かれていて、その上を、消防車や自衛隊の車が、ぽつんぽつんと1列に並んで待っていた。
1台乗り込んでも、すぐに次が乗り込むわけではなく、見ていておもしろかった。
浜に続く下り坂の海側に車を寄せて、乗ったまま眺めていた。
どうやら、前にいる車も、自衛隊の車両のようだ。
ずいぶんいろいろな車がある。自衛隊関係だけでなく、消防車が多いのはどうしてだろう。
自衛隊のトラックには、やはり、カモフラージュ用なのか、蔓草のようなロープがついていて、おかしかった。
おいおい、いったい何からカモフラージュするんじゃい。
三宅には、本物がたくさんあるから、おみやげに持って行けばいいのに。
葛の蔓だったら、良い香りの花も咲いてるし。ダメかな。
本当にありがとうございました。みんな喜んでいました。
「元気をもらった。」って涙ぐんでいる年寄りもいました。
船は、東海汽船よりも時間がかかる上に、揺れるって聞きました。
みんなどこに行くんだろう。すぐに次の仕事があるんですね。
夕方の薄くぼやけた夕焼け。船の乗り込む車のペースが速くなったような気がした。
前の車について進んだら、船が見えなくなって、その時に気がついた。
自分達の車の後ろに、延々と消防車や自衛隊車が続いていた。
知らない内に、乗り込む車の列に並んでしまっていたのだ。
慌てて列からはずれる。はずかしー。後ろの運転手さん、変に思っただろうな。
灰だらけの汚い軽自動車。どう考えたって、場違い。退散退散。
本当はちょっと船に乗ってみたかったなぁ。
ずっと前に言われたときに、迷彩に車を塗っておけば、そのまま行けちゃったな。うーーん。
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