rescuenow.net   ホームへ
みゃるの避難日記 三宅島から遠く離れて
三宅島・雄山の噴火で火砕流の被害にあった神着地区にあるペンション、SNAPPERSを (スナッパース)ご主人と経営されている、みゃること野田理恵(のだ りえ)さん。 ペンションが火砕流に直撃されるという予期せぬ災害にあって、その状況を冷静に インターネットで発信し続けたみゃるさんに、雄山での出来事を綴っていただきます。
   

19-1 避難所で

 


朝方は、かなり激しく雨が降っていた。泥流は、まだ出ていないらしい。
体育館の黒板に貼ってある、地区ごとの居場所の振り分け表に、「観光客」「マスコミ」というのがあった。
人数的には、0らしいが、0じゃなかったら、まずいんじゃないか?

昨日、車に戻るときに、今朝の朝食をもらった。
ひもを引っ張ると、熱々のカニ雑炊が食べられるという物だった。
取りあえず、1つ、ひもを引っ張った。間もなく湯気が立ち、車の中は、窒息するかと思うほどのカニの匂いが充満した。
私は、カニがあまり好きではない。
カニクリームコロッケと、カニカマボコは好きだが、カニの本物率が上がると、キビシクなる。

8月10日の噴火の様子
これが避難所の朝食のカニ雑炊


ふたを開けると、更にカニの攻撃は激しくなった。
目が回りそうだった。取りあえず、ひとつだけにしておいて、よかった。
カニ攻撃で、一気眠くなってしまい、また眠ってしまった。
せっかく、ゲームボーイも本も持ってきたのに、しょうもない。
カニにやられた。

別に、空腹でイラついていたわけではないが、主人が、お茶代わりにペットボトルの水を封切って飲んだことに文句を言ってしまった。
お茶は、まだある。隣の車から持ってくればいいだけの話。
お茶はお茶として飲むしかないけれど、水は違う。
今までも、始終断水の危機があった。
実際、阿古地区は、長いこと断水していたのだ。
この先、なにがあるかわからない。
水は、お茶にすることもできるけれど、お茶以外にも使える。
この先、ウーロン茶で、ご飯を炊いたり、みそ汁を作るぐらいなら、ただ飲むだけならば、お茶を先にして欲しい。

昼食後、校舎から出たときに、コンクリの石段につまづいた。
雨でサンダルが滑ったようだった。左足の親指を石段に激突させてしまった。
なにが起きたのかわからないほど、痛かった。
動けないほどの痛みが、3分ぐらい続き、ようやく車に戻ってしばらくジッとしていた。親指の先が、割けたように1cmぐらい口を開け、爪が根元の方に1cmぐらい、めり込んでいた。
不思議と指全体の腫れはなかった。

幸いなことに、坪田にある薬屋は、避難地域になっていなかった。
途中にある店で、ロックアイスを買い、猫用の水を1缶あけ、なんのために積んだのか、わからなかったバケツに入れて、足をつけた。
おまぬけなケガを予知したんだろうか。

薬屋で、湿布と消毒薬、寝ている内にぶつけないように、包帯を買った。
これだけ、いろいろ物を積んだのに、ケガをした際に必要な薬類は持っていなかった。家に帰ればある物ばかりで、痛い出費だった。

(19-2へ)

 

 

(野田理恵)

  back index

 

閉じる
 
rescuenow.net:Copyright (c) rescuenow.net Inc. お問い合わせ プライバシーについて