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みゃるの避難日記 三宅島から遠く離れて
三宅島・雄山の噴火で火砕流の被害にあった神着地区にあるペンション、SNAPPERSを (スナッパース)ご主人と経営されている、みゃること野田理恵(のだ りえ)さん。 ペンションが火砕流に直撃されるという予期せぬ災害にあって、その状況を冷静に インターネットで発信し続けたみゃるさんに、雄山での出来事を綴っていただきます。
   

18-1 台風来襲

 


8月12日、10時近くなってから三宅中学校に向かった。
まとまった雨が降る様子もなく、かといって、先日のような炎天下でもない。

曇っている分、車内の気温を気にしなくていいので、エンジンを停めて、建物の中に行ってみる。

ここしばらく、会えなかった人達、みんないた。
建物ごと、教室ごとに、地区が分かれていた。
空調設備の整ったパソコンの教室には、体の弱い人の部屋になっている。

壁に貼ってあるポスターや張り紙、なんだか懐かしい。
手を洗う流し、こんなに低かったっけ?

中庭から体育館に入る入り口の脇に、見たこともない、大きな釜のような鍋のような物が、2基置いてある。

猫を飼っている人の共通の話題は、「どうした?」。
「家は、一緒に避難してきた、車にいるよ。」と返事。
「うちのコは、あっちの廊下のケージに入っているんだよ。」と言われ、会いに行くことにする。
ケージの中には、思っていたのと全く違う猫が1匹。
いつも、車で、そこのお宅の前を通りかかったときにいる猫じゃなかった。
話は良く聞いていて、すっかり知っているつもりだったのに・・・。
「カーペットちゃん、あなたがカーペットちゃんなの?」と聞いてみたけど、ブルブル震えて、固まっているだけで、反応がなかった。
あんまり震えると、口までいっぱいに水が入った紙コップの水が、こぼれそう。
どこかに、もうちょっと安定の良い入れ物はないかなぁ。
なんだか、美術館の絵画の展示ケースのようだと思って見ていたら、たまたま隣にいた人が、「やっぱり、猫はコップじゃ飲めないわよねぇ・・・。」と、真剣に心配していたので、思わず笑ってしまった。

戻って、「カーペットちゃんは、私が思っていた猫じゃなかった。」と報告したら、「どこの猫と間違えてたの?」と、また大笑い。

体育館には、子供がたくさんいて、地区ごとに分かれて座っていることもあって、にぎやか。
ただ、壮年の男性の姿は、役場の職員以外、少なかった。

車を避難仕様にしたことを自慢したのだが、みんな苦笑するばかりで、あんまり、ほめてもらえなかった。
実際、車を見せたら、と思って、中を見せて説明したら、逆に呆れられてしまった。ちぇ。

8月10日の噴火の様子
泥流の危険と言うことで避難



実家に頼んだ小型テレビは、本当は今日着いてもいいはずなのだが、配達してくれる郵便局が、避難地区の中にある場合、どうなるのだろう。
避難地区以外の小さな郵便局に、荷物がどっと入ってしまったようで、こちらは、大変混乱しているらしい。
明日からは、もう台風が行ってしまうまで、船も飛行機も来ないだろう。
今日中になければ、アウトだ。

車に戻り、自分の猫の様子を見ることにした。
どうしても慣れないらしく、また、キャリィに入ったままだ。
時々、車のエンジンをかけ、クーラーを入れるが、先日ほど、頻繁でなくて大丈夫そう。

車に入ってしまうと、睡魔がおそってきて、そのまま眠ってしまった。
空模様は怪しいのだが、ラジオからは、なんの情報も得られない。
何か、聞こえてこないか、と一生懸命聞いていたが、お盆休みの土曜日、華やかで楽しげな、観光地や街の話と、ヒットチャートにのせられた曲が繰り返しかかるだけだった。がっかりしすぎると、疲れる。



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(野田理恵)

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