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「フーリガン」。
今現在,日本において一番認知されている単語であり,また同時に,一番誤解されている理解されていない単語ではないだろうか。多少なりともサッカーに興味があれば,「フーリガン」という単語をほとんどの人が知っているはずである。しかし,そのほとんどの人は,「イングランドサポーター=フーリガン」という偏見に満ちたイメージを持っているのではないだろうか。
今回は,果たしてフーリガンとは何なのか、という点について考えてみたい。
フーリガン(hooligan)と言う単語は本来,「ならず者,不良」を意味する。しかし,サッカーのスタジアムや周辺で徒党を組んで暴動を起こしたり,扇動したりする過激なファンを指して使われるようになった。語源は,19世紀末にロンドン周辺で暴れた不良グループの、リーダーだった一家の姓「フールハン」がなまったものではないかと考えられている。
イングランドにおいてフーリガンが世間一般に認知されたのは,1970年代のことである。
当時イングランドは,黄金の60年代(注1)からまさに転落しようとしていた。景気が極端に悪かったことも,フーリガンが生まれた一因である。また,テレビ中継(BBC放送 “マッチ・オブ・ザ・ディ”)(*注2)が始まったことにより,人々がフーリガンという存在に影響されるようになった。
フーリガン=クラブへの忠誠という構造が成り立っていたこともフーリガンという土壌が成長した原因である。海外旅行がまだ一般的ではなく,手軽に行けるような時代ではなかったため、海外で暴れるというよりも,国内で問題を起こすことが多かった。職にあぶれた失業者(主に低所得層労働者)たちが日頃のうっぷんを晴らすため,サッカーの試合で相手チー ムのサポーターと乱闘を繰り返してきたのは,主に国内での話である。 (当時は自分も,Away(敵地)に応援に行くことなど,考えたこともなかった。)
このようにイングランドサッカー界の低迷,フーリガンの横行により当時の観客動員数は減少する一方であった。その後,80年代になると,サッチャー政権(*注3)が誕生し,彼らの暴走にさらなる拍車がかかったのである。
(*注1)
66年地元開催のワールドカップで優勝。68年ヨーロピアンカップ(現チャンピオンズリーグ)でマンチェスター・ユナイテッドが優勝。
(*注2)
世界で最も有名なサッカー番組。 土曜日には,プレミアリーグのハイライトを放送している。
(*注3)
マーガレット・サッチャー、 1979年より1990年まで首相を勤める。「鉄の女」と呼ばれた。 |
(大山 隆太)
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