■警備の規模、基本的な考え方 ヘーゼルの悲劇(1985年5月)やヒルズボロの悲劇(1989年4月)などの過去の惨事からその後の対策をまとめたテイラーレポートでは、過去の悲劇の背景として、サッカー協会のスタジアムセキュリティの甘さ、警察とクラブ間の連携のずさんさ、警察の入場者数管理の甘さを指摘し、スタジアムでの安全性確保のためには、観客の適切な整理が必要という結論に至りました。これが今日のスタジアムセキュリティの考え方の基本となっています。 このテイラーレポート後、各スタジアムの改修が進み、スタジアム内での混乱による事故の防止や被害軽減のための対策がとられていると共に、会場内外でのトラブル防止のための警備も強化されています。
イングランドではスタジアム内でビールは売っていません。セキュリティ担当者に今回のW杯で日本では会場内でビールを売るという話をして、それについて意見を求めたところ、数秒の沈黙の後、「クレイジーだ」という返答がありました。それだけイングランドでは、試合中の過剰な熱の高まりを抑える部分に力を入れているとも言えるでしょう。 イングランドでは試合前にスタジアム周辺のパブでビールを飲み、そのままスタジアムで観戦をするというスタイルが一般的であり、試合中にアルコールを入れることにより、ちょっとしたきっかけでスタジアム内が大混乱に陥る可能性があることを強く危惧していました。