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サッカー・ワールドカップ特集
6月に韓日で開催された”2002FIFAワールドカップ”を安全に楽しむために、特集ページを組んで情報収集・発信をおこなってきました。
”2002FIFAワールドカップ”を危機管理の観点から振り返ってみましょう。
 
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スタジアムセキュリティとフーリガンについて
フーリガンとは何か?
 
W杯も目前に近づき、最近ニュースなどで、警察や行政の「フーリガン対策」についてよく報道されています。随所での警備や対応の強化と言った話から、「フーリガンは怖い」と思う方も多いのでは無いのでしょうか。
では、「フーリガン」とは実際にどのような人達を指すのでしょうか。フーリガンの「本場」とも言われている、イングランドのサポーター(ファン)を例に考えてみます。

フーリガンの誕生
19世紀末にイングランドで誕生したと言われているフーリガンは、1980年代には英国だけでなく、オランダなど欧州各地にも広がりました。イングランドの労働者層にとって、自分の地元のチームを応援し、酒を飲んで騒ぐ(そしてしばしば他のチームサポーターと衝突をする)のが、格好のストレス発散の場であったようです。
しかし、スタジアムでの集団事故などが相次いだ事から、安価なチケットで入れる立見席が廃止されたため、一時衰退しました。ここから、フーリガンの実態が、「熱狂的に応援するサポーター」から、スタジアムの外で、「暴れるのが目的の集団」に変わっていったと考えられます。またその活動の場が、国内リーグから、欧州リーグ、W杯へと、拡大もしていき、社会問題化しました。

フーリガンは怖い?
では、実際に「フーリガンと呼ばれる人たちはどのようなことをするのでしょうか。」彼らによる事件として、よく扱われるものに、1985年の「ヘーゼルの悲劇」があります。
これは、85年にベルギー(へーゼル)で開催された欧州クラブ杯決勝での事件で、リバプール(イングランド)のサポーターがユベントス(イタリア)のサポーターと衝突し、39人の死者を出し、その責任がリバプールサポーター(フーリガン)へ課されため、イングランドはその後、5年間、同大会への出場停止処分を受けました。しかし、この「衝突」とはいったいどういう意味でしょうか。実は、この事件は、フーリガンが暴動を起こしたといった理由ではなく、満員のスタジアムで観客が衝突から逃れようとフェンスをのぼった際にフェンスが壊れ、そのフェンスの下敷きになったことが原因なのです。他にも 96人の方が亡くなった、1989年の「ヒルズボロの悲劇」など、大規模な事故はサポーターが原因というより、スタジアム・セキュリティの不備によるもののほうが多いと言えます。

スタジアム・セキュリティの重要性
これらの教訓を踏まえ、イングランドのスタジアムでは、厳重な観客誘導や、セキュリティチェックなど、暴動や事故を「鎮圧」するよりも、「防止」することに重きがおかれています。この点での日本の対応は、まだまだ遅いと言わざるをえないようです。

重要なのは「理解」すること
海外では、日本のフーリガンにたいする対応の過敏さが報道され、熱狂的な(フーリガンではない)サポーターが逮捕されるのではないかといった心配もされています。路上で大声をだしながら歌ったり、酒を飲んだりするのは、決して珍しい情景ではないのです。
W杯は世界最大のイベントです。海外からくるほとんどのサポーターは、「暴力」ではなく、「お祭り」を楽しむために訪れます。何よりも大切なのは、怖がることではなく、サポーターの「文化」を理解することではないでしょうか。
 
イングランド在住経験のあるサポーター、大山氏のコラム
日本組織委員会(JAWOC)
 
スタジアムセキュリティとフーリガンについて
本場イングランドの警備体制とフーリガン対策(その1)
 
今年2月、連載コラム「ワールドカップを楽しむために」を執筆して頂いている大山隆太さんとともに、イングランドプレミアリーグのトッテナム・ホット・スパーのスタジアムセキュリティーを取材し、さらに試合を観戦する機会を得ました。ここでは、2月の取材の中から、特にサッカーの本場イングランドでのスタジアムセキュリティ、フーリガン対策に着目し、紹介します。
 

警備の規模、基本的な考え方
ヘーゼルの悲劇(1985年5月)やヒルズボロの悲劇(1989年4月)などの過去の惨事からその後の対策をまとめたテイラーレポートでは、過去の悲劇の背景として、サッカー協会のスタジアムセキュリティの甘さ、警察とクラブ間の連携のずさんさ、警察の入場者数管理の甘さを指摘し、スタジアムでの安全性確保のためには、観客の適切な整理が必要という結論に至りました。これが今日のスタジアムセキュリティの考え方の基本となっています。
このテイラーレポート後、各スタジアムの改修が進み、スタジアム内での混乱による事故の防止や被害軽減のための対策がとられていると共に、会場内外でのトラブル防止のための警備も強化されています。

 
具体的には、開催される試合や対戦チームにより警備体制は3段階に分けられています。
特に混乱があまり予想されない試合の場合、警察はおよそ100人の体制で、現場警備・誘導にあたるスチュワードが約500人の体制となっています。試合中は、ピッチ上に選任のスチュワードがいて、さらにスタンドでは通路毎にもスチュワードを配置し、常にフーリガンを監視しています。
各ゲートでは、1箇所につき、約5人程度のスタッフがついており、ボディチェックや手荷物チェック(ペットボトルキャップを取る)を行い、観客を入場させます。
 
ゲートで警備誘導を行うスチュワード
 
各ゲートで行われているボディチェック
 

イングランドではスタジアム内でビールは売っていません。セキュリティ担当者に今回のW杯で日本では会場内でビールを売るという話をして、それについて意見を求めたところ、数秒の沈黙の後、「クレイジーだ」という返答がありました。それだけイングランドでは、試合中の過剰な熱の高まりを抑える部分に力を入れているとも言えるでしょう。
イングランドでは試合前にスタジアム周辺のパブでビールを飲み、そのままスタジアムで観戦をするというスタイルが一般的であり、試合中にアルコールを入れることにより、ちょっとしたきっかけでスタジアム内が大混乱に陥る可能性があることを強く危惧していました。

 
□イングランド在住経験のあるサポーター、大山氏のコラム
http://www.rescuenow.net/get_close/worldcup/new.html
□TVK(テレビ神奈川)アクセスNOWの取材を受け、その模様が放映されました
http://www.tvk-yokohama.co.jp/access/020518.html
 
 

 

 

 

 
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