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食中毒の防ぎ方
現在九州の保健所で食品衛生監視員をなさっている西村雅宏さんにご協力いただき、ご自身が発信しているメールマガジン「食中毒の防ぎ方」を当コンテンツでも連載しています。
■食中毒の防ぎ方 vol.1
「食中毒予防の3原則」
 

はじめに
私は九州のある保健所の食品衛生監視員をしています。経験は通算16年で、その間多くの食中毒事件を処理し見てきました。食中毒事件を起こして潰れた有名飲食店もあります。さらに悲惨になった事例も見てきました。腸管出血性大腸菌O157、サルモネラ・エンティリティデス、小形球形ウイルス(SRSV)と食の国際化にともなって新たな強力な食中毒菌が海外から入ってきています。それにつれて、食材から、調理従事者のお腹からと食中毒菌が調理場に侵入してきています。食中毒の発生原因が変わってきており、従来の清潔を主とした食品衛生の方法だけでは食中毒を完全に防ぐことは難しくなっています。その証拠に、豪華なホテルや有名料理店で大きな食中毒を起こしています。学校給食、弁当、仕出し、結婚式場、大きなパーティを行う大量調理施設での食中毒の危険性が指摘されています。  
この様な状況では、季節要因を加味して、どういう食品、どういう取り扱いに注意すればよいか、タイムリーな情報を仕入れて、素早く対応しなければ、食中毒は防ぐ事ができません。
食品衛生監視員としての経験を生かして、悲惨な食中毒を少しでも減らせたらと考え連載を開始しました。

原則1 つけない
清潔(2次汚染防止)
手洗い
調理器具の洗浄・殺菌・使い分け
従事者の健康状態(自己チェック、検便)
ポイント
  「清潔」とは、感覚的なもので「衛生的」とは科学的概念です。両者は本質的に異なるものです。したがって、見た目には清潔であっても、病原菌が付着するなど不衛生な食品である場合もあり、逆に不潔に見えても、衛生上は問題がない場合もあります。
食中毒菌は食肉、魚介類、野菜類等の食材、従事者、ソ族昆虫から調理場に侵入します。そのため、入口のチェックが重要です。とくに、自分の所で菌を殺したり、除去する工程が無い調理済み食品、生食用食肉、生うに、生カキは、リスクが高いと言えます。見た目の清潔だけでなく衛生的に考える事が大事です。


原則2 増やさない
迅速な取扱い(細菌の増殖防止)
計画的な食材購入
調理後できるだけ早く食べられるように計画的な調理
ポイント
  料理メニュー、飲食店の形態により病原菌を殺したり、減らす工程からお客さんが食べる迄の時間が変わります。鍋物等は加熱して熱い内に食べますので病原菌のリスクはありませんが、駅弁、結婚式の披露宴等は、その時間が長くなりリスクが高くなります。
リスクを減らすには、衛生的に製造するとともに、細菌が増殖するに最適な温度帯(30℃〜40℃)に長く置かないことです。


原則3 殺す
温度管理
食品保存 冷蔵(10℃以下) 冷凍(ー15℃以下)
加熱保存 内部まで十分に加熱
加熱済食品を保存 速やかな冷却・冷蔵保存
ポイント
  ほとんどの細菌は高温で加熱することにより死滅させることができます。製造、加工、調理の過程で熱を加えることができるものは、食品の内部まで十分に加熱することが大事です。


その他 リスクを知る
どういう食品、メニューが食中毒を起こしやすいかを知る
  鶏卵の汚染 インエッグ(鶏卵の内に菌侵入)1万個に3個
  古い鶏卵は汚染が進行している可能性
  生カキで食中毒が多発している
リスク管理 対応策
  仕入れ  賞味期限表示の確認・冷蔵保管・割卵時の観察
  使用方法 加熱、割だめ禁止・手洗い、器具の洗浄・消毒
リスクコミニケーション
  リスク情報伝達  皆で知ってまもる
  仕入れ担当者・メニュー作成者・調理従事者・パートさんで情報を共有する
 
(西村雅宏)

 

西村雅宏(にしむらまさひろ)

食品衛生監視員歴16年。数多くの事例を通して実感するのは、 食中毒の原因のひとつが情報不足による、ということだった。現場から知り得た ノウハウを伝えることで、少しでも食中毒を減らすことができるのではないか、 という思いから食中毒予防に関するメールマガジンを発信している。

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