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ペットのための防災
地震、台風、津波、風水害などの自然災害をはじめ、火事や爆発などの事故が突然あなたを襲うかもしれません。 災害発生時にはペットも被災者になります。ペットのためにもふだんからの備えが大切です。
■2000年三宅島噴火 ペットの状況の経緯
宮里かおり・小林ひろみ まとめ
 
月毎の経緯 2000.6 2000.7 2000.8 2000.9 2000.10 2000.11 2000.12〜2001.2
 
【8月】
8/10
6:25
  噴火。
島下から間川橋(神着の中心)までの間、および沖ヶ平、御子敷、三池に避難勧告。
 
16:00
  神着の下馬野尾・坪田の御子敷の約10〜15軒30名ほどを除き避難勧告解除。
       
8/13
17:30
  噴火。
台風9号の影響により、沖ヶ平、三池、御子敷、神着に避難勧告。
       
8/14
13:10
  噴火。
       
8/15     噴火続く。22:00頃より地震多発。
       
8/18
17:02
  噴火。
 
17:20
  臨時火山情報第14号
「三宅島雄山が17:02頃噴火。噴煙の高さは火口上5000メ-トル以上(その後15000メートル以上に修正)。噴火は約1時間半続き、島内の広い範囲で降灰が20:30ころまで続く」。
神着、伊ヶ谷、坪田に避難勧告。

 
  [東京都獣医師会のHP]
8/18東京都獣医師会では、三宅島の島民の自主避難が急増したことを受け、救護対策の本格的な準備に取りかかりました。
自主避難の段階では行政が被災動物にかかわる根拠がなく、獣医師会との連携が困難でしたが、速やかに被災動物の受け入れ態勢を整えるべきであると判断し、三宅村役場との話し合いを積極的に進めました。
 
   
 
  [ARCのHP]
8/18の18時過ぎにARCが三宅村役場に電話で聞いた内容。
・村役場では犬や猫の避難については今のところ全く対応していない。動物のことは住民の方の判断に任せている。今はそれどころではない。
・事前にペットの避難について指示や指導ができたかどうかはわからない。今はとにかく住民のほうが優先で動物のことまでかまっていられない。
・ペット担当の部署は保健福祉課だが、編成替えなどの関係もあり把握できていない。課の人間は住民対応に追われていてすべて出払っているためよくわからない」。
 
   
8/20
  [ARCのHP]
島民からARCへの電話相談。 「現在、火山灰の片付けで精一杯で犬にかまってはいられない。灰がすごいので散歩もしてあげられず、犬たちはストレスで下痢をしている。このままではかわいそうなので一時預かってくれる施設はないだろうか」。 後日ARCスタッフが三宅島に行くので、そのときにどうするかを決めましょう、と対応。
編集注※(電話にて犬の一時預かりを相談した人は、その後ご主人の赴任先へ犬を避難させることになった)
       
 
  [三宅島スナッパーの掲示板・島民]
全島島外避難が実施された場合、犬や猫の姿の「家族」は、やはり島に捨てていかなければならないのでしょうか?
我が家には猫がいます。避難生活はなんとか乗り切れたのですが、急遽、全島避難ということになった場合に「一緒に連れて行くことができない」という話を聞いたので、いよいよの一歩手前で内地にある実家にしばし預かってもらう計画を立て、実家の方でも快く引き受けてくれていました。
今日、夜になって地震が続き、もうダメだという思いがよぎり、今週末に実家に連れて行きたいと相談したところ、この期に及んで引き受けを渋られてしまいました。
命の引き受けを拒否するということは「死ね」ということに他なりません。
そして、それは猫だけに向けられたものでなく、私に向けられたも同然です。
猫の顔を見て「姿さえ人間だったら、どんな悪いガキでも優先的に、しかも大手を振るって助けてもらえるのに」なんて思ったりします。
編集注※この頃はペットを避難させることなど無理だろうと思っていた島民が多かったようだ。
行政や獣医師会からペットの島外避難の情報はまだ何もなかった。
       
 
  [三宅島ML・支援者]
ペット預かってくださいというような要望はありませんか?

[三宅島ML・島民]

かなりの数あると思う。
       
 
 

[ARCのHP]
現地調査スタッフからの報告。
・島内にシェルターを作る案が村議会であがっているが、場所の問題もあり未定とのこと。
・全島民避難の話も出ている。
・村役場保健福祉課ペット担当の田中さんの話。 「置き去りにされているペットは知る限りはいないはず。 次に避難指示または避難勧告をする際もペット対策は特に新しいものはない。 正直言ってペットのことにまで手が回らない」。
・保健所三宅島出張所の梶川さんの話。 「今の段階では獣医を島に呼ぶ予定はない。シェルターの案もあるが場所の問題とケージが不足している。 飼い主からの不平不満は今のところ聞いていない。本日17時現在17台のケージが保健所にある」。
・阿古の猫1匹の飼い主の話。 「避難勧告の際、役場の人がペットをバスに乗せてくれなかった。 都や村には期待できないので、他に安く預かってもらえる場所があれば助かる」。
・神着の犬1匹の飼い主の話。
「任意避難だったので避難しなかったが、する時は回りの人たちに迷惑をかけたくないので犬は置いていく。 今までも台風の時などは近くの消防署に繋いで避難していた。シェルターがあれば連れていく」。
・神着の犬の飼い主の話。
「全島民避難になれば置いていく」。
・阿古のペット用品も売っている雑貨屋の話。 「飼い主が困っているような話はあまり聞かない」。
・坪田の犬1匹の飼い主の話。
「病気が心配」。
・神着で地域猫を4匹見かけた。他の地区では今日は地域猫を見かけていない。 ・野良犬はこの島にはいないと駐在さんが言っていた。
・既に島外へ一時避難した人の中にはペットを連れていくことができず、置いていった人が何人もいたようで、 ペットのために再び島に渡らなければならないと考えている人もいるとのこと。 ARC事務局からの報告。
・24日17:00ARC事務局が東京都獣医師会に確認した内容。 「飼い主からの一時預かり要請については都内の動物病院に分散保護する形で非公式に対応する。 しかし、ARCのような善意の第三者が救出した動物の保護
・一時預かりについては、もう一度検討する必要がある」。
・三宅島島民からARCへ電話相談。 「子供が住む別の島へ避難するため、明朝、船に乗るが、主人は仕事があるので、まだ島に残る。 犬2匹を避難する島へ連れて行くことができないのでどうしたらよいか」。 スタッフが再度、島に渡るときに緊急特別処置として犬の預かりを対応する。 編集注※(この件は相談の翌日、避難先の島で犬2匹を預かってくれる人が見つかった)
編集注※(この件は相談の翌日、避難先の島で犬2匹を預かってくれる人が見つかった)

       
8/25
  [ARCのHP]
東海汽船の緊急措置として、ケージにいれなくても口輪をつけさえすれば犬も乗船できるという情報がありました。
口輪やケージ等の提供を呼びかけたところ、阪神大震災の際にもご協力いただいた大阪の(株)ヤマヒサが快く対応してくださるとのこと。今日明日中に船で搬送し、住民の方々に配布する予定です。
       
8/26
  [島魂掲示板・支援者]
三宅島社会福祉協議会がペットを避難させるためのケージの募集を始めました。
「現在、三宅島の犬や猫を船に乗せるために、輸送用のケージを募集しています。返却不要のもので送料は送り主負担。できればコンパクトになるものをお願いします」。
       
 
  [島魂HPの掲示板・島民]
ありがたいお話です。うちにも大型犬が1頭おりますので、どうしようか迷っていたところです。 集まってくれるといいですね。お願いします。
       
8/27
 

[島魂掲示板・支援者]
北海道獣医師会に対し、有珠山被災動物救護のノウハウを三宅島に活用してくれるよう依頼メールを送りました。
支援者は現地への電話は避けてください。災害時のペット用品・フードの支援取りまとめ先は日本動物愛護協会です。

       
 
  [島魂掲示板・島民]
涙が出るほど早い対応ありがとうございます。
       
 
  [島魂掲示板・島民]
Japan ANIMAL NETWORKの情報です。
1.JANには救済物品の準備があるとのこと。
2.JANは東京都にペット救済の署名運動をしているとのこと。
3.東京都獣医師会は、災害救助法が適用されたので、村の要請があればペットの受け入れ態勢があるとのこと。
ARCの呼びかけを受けてペット用品メーカーのヤマヒサが口輪やケージを提供してくれました。ここ数日のうちに島に入荷する予定だそうです。
       
 
  [島魂掲示板・支援者]
(上記の情報に対し)確認させてください。ペット用品はすでに解決済み、これ以上は不要ということでしょうか?
編集注※ペットの島外避難に向けて愛護団体なども動き出す。
しかし、ケージなどの必要物資が足りているのかいないのかなど現地の情報が支援者に伝わらず混乱し始める。
       
       
8/28
  [東京都獣医師会のHP]
8/28三宅村長から「自主避難に伴う動物の対策」について公式依頼があり、ただちに東京都獣医師会の支部である中央支部6病院で35頭、板橋支部3病院で3頭、計9病院に合計38頭を保護収容しました。
編集注※8/28より東京都獣医師会のペット避難受け入れが開始された。村からの正式依頼を受けての対応だが、都からはまだ正式な要請はなかった。
       
 
  [島魂掲示板・支援者]
8/28の17時現在のペット関連の状況についてお伝えします。
・三宅村社会福祉協議会がペット用ケージを引き続き募集中。島内避難の場合、また島外避難のために使用。返品不要のもので書類手続き省略が条件。
・有珠のときのペット支援物資受付窓口であった日本動物愛護協会が支援受付を準備中。東京都の要請があり次第、活動に入る。 
・東京都獣医師会も着々と支援準備中。200頭前後の避難受け入れをめざしている。こちらも東京都からの要請があり次第、活動に入る。
・NPO団体を通じて、すでに一部の支援物資は島に到着。
・東海汽船では特例として、ケージ無しでも口輪だけで犬の乗船を許可。
       
 
 

[ARCのHP]
現地調査スタッフからの報告。
・8/28島に到着してすぐにARCがケージや口輪を貸し出すという情報を聞きつけた住民3人が口輪2つ、キャリーケージ2つを借りに来た。
10:30頃に村内放送でケージや口輪の貸出を行う旨の放送が行われると新たに6人がケージ3つ、口輪4つを借りに来た。
・三宅村保健福祉課のトミイさんという方がとても協力的に動いてくださっている。

       
8/29
4:35
  大噴火。
 
11:00
  東京都災害対策本部設置。
 
15:10
  すとれちあ丸にて児童生徒は島外避難。あきる野市の秋川高校へ。
編集注※この時点でもペットのための避難用品が足りているのかどうかの現地情報がまったくなかった。
東京都獣医師会は都からの要請待ちの状態で、正式なペット救援発表はまだなかったが、自主避難した飼い主からのペットの受け入れは開始していた。
       
 
  [島魂および島内すべてのHPの掲示板・支援者]
島民のみなさんへ。避難の際は必ずペットも連れて避難してください。
避難したあとのことは心配しないでください。必ずフォローします。
       
 
  [島魂掲示板・島民]
ペットのことはみんな色々手当しているみたいです。1泊2000円とか3000円とか。
編集注※早めに自主避難した人たちはペットホテルなどにペットを預けていた模様。
       
 
  [ARCのHP]
東京都獣医師会が一時預かりを開始した。三宅島島民の方が一定の手続きを取れば預かりをしてもらえる。
       
8/30
11:30
  泥流発生の恐れのため伊ケ谷、阿古、神着、伊豆、坪田のうち三池・沖ヶ平・御子敷に避難指示。坪田のうち避難指示地区を除く全域に避難勧告。
       
 
  [島魂掲示板・支援者]
三宅島民のみなさんへ。東海汽船では犬猫乗船の条件として、ケージに入れるか口輪をすることとしています。
ケージも口輪も持っていない飼い主さんが多いと思いますが、ケージがない、口輪がないとあきらめないでください。
東京都獣医師会と役場保健福祉課が連携して、取り寄せ準備をすすめています。
ペット避難の相談は役場保健福祉課まで。ただし課員は多忙を極めています。地区ごとにケージ・口輪の必要数を取りまとめるなどして保健福祉課と連絡を取ってください。
       
8/31
11:45
  避難指示および避難勧告解除。
       
 
  [三宅島ML・支援者]
プラスチック用品メーカーから猫・小型犬を入れるケージ40個の提供がありました。
       
 
  [ARCのHP]
・東京都や東京都獣医師会などは三宅村からの正式要請がなければペットの対応はしないことを原則としている。
しかし村は噴火災害の当地であり、三宅村保健福祉課は老人福祉や児童疎開やその他の対策が目白押しで 極度の人手不足であり超多忙状態になっている。
要請されたこと以外は何もしようとはしない都の態度に疑問を感じる。
・ARCが東京都獣医師会に電話で確認した内容。
「飼い主(代理人)が三宅村が指定した書類に必要事項を記入し捺印・サインして持参した場合は、狂犬病予防ワクチンが投与しているなら問題なしに預かるが、そうでない場合はケースバイケース。
飼い主不明の被災動物(放浪動物)については私(=事務局長)の判断になるが、原則として預からない。その場合は保健所の管轄だと思う。三宅島内の被災動物であることが明らかな場合でも同じである」。
・現地ARCスタッフが母猫と4匹の赤ちゃん猫を保護。
人になついており、民宿の飼い猫と思われるが未確認。母子ともに健康状態は悪くない様子
   
<参考ページ>
ARCのHP
三宅島ML
東京都獣医師会のHP
三宅島スナッパーの掲示板
島魂掲示板
東京都災害対策本部
南多摩獣医師会のHP
マイリトルフレンド(MLF−aid)掲示板
大学三宅総合観測班のHP
 
 

宮里かおり・小林ひろみ
飼い主として防災の情報交換をし、いざというときに支えあう仲間を全国から集う「ペット防災ネットワーク」(2001年1月発足)を主宰。 ペットのための防災を考える方ならどなたでも参加可能。 関心のある方は下記までお気軽にメールをお寄せください。

お問い合わせ: ペット防災ネットワーク事務局(株式会社レスキューナウ・ドット・ネット内)

 
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