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02/03/19 (火) 22:51 更新
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知っ得レスキュー

東京都田無市にあるラジオ局『FM西東京』と『レスキューナウ』のタイアップで田無市近辺の防災関係の専門家のゲストの方に防災一口メモをお話しいただくラジオとWEBサイトの連動企画をまとめました。

FM西東京連携企画・インタビュー vol.3
「災害時、傷ついた心を癒すのは共同体だ!」

今回お話しを伺ったのは、午前中は田無神社の宮司として、午後から夜中近くまで は精神科医、臨床心理士としてもご活躍の 賀陽(かや)濟(わたる)さん。 阪神淡路大震災の時、真っ先に現地へ 向かい、ボランティアで活動しながら被災者の心のケアに尽力されました。災害時に 受ける心のダメージを少しでも軽くするため、早く立ち直るために、私たちは何がで きるのか。心の専門家からのアドバイスを頂きました。


●阪神淡路大震災の折、現地での活動を通じて何を感じましたか?
「1995年1月17日、テレビで大震災の惨状を知り、「何かしなくてはいけないんじゃ ないか」という率直な気持ちで現地に行きました。最初は何をすべきかわかりません でしたが、現地でボランティア活動をしているうちに、必要なことが少しずつ見えてきました。
小さいお子さんをはじめ、お年寄り、ハンディキャップのある方など、いわゆる災 害弱者の方々は本当に大変です。実際現地に行ってみなければ、どれほど大変かわからなかったかもしれません。例えば、車椅子の人の入れるトイレがない。道路の標識 がなくなって、目の悪い方が移動できなくなってしまう。そして、私は精神科医で特 に子供の精神科が専門なんですが、子供達は心に相当の影響を受けていました。大震 災以降日本でもよく使われるようになったPTSD(Post-Traumatic Stress Disorder: 心的外傷後ストレス傷害)
つまり、心に深く傷を受けてそのためにいろいろな症状 として表れる、そういうお子さんがたくさんいらっしゃったのです。」

●PTSDのためのケアとは?
「PTSDとは、大きな災害にあったり目の前で家族を亡くすなどショッキングなことが あった場合、それが深く心の傷となってさまざまな症状が表れてくる。簡潔に言うとそういうことです。特に子供の場合には、心の抵抗力が低いために強く影響を受けます。最初の反応として、眠れなくなったり、恐い夢を観たり、いろいろな心身症が起こる。そして、それ以降3カ月とか3年先になってから、抑鬱状態や学校に行けなくなってしまう不適応などが起こる場合もあります。  
大震災で学んだことの一つに、PTSDをはじめとした心のケアというのはやはり初動 が大事だということがあります。なるべく早い内にケアしてあげて、後で深刻な事態 にならないよう未然にケアすること。アメリカなどにはそのシステムがちゃんとあり 、精神科医、心理療法家、ソーシャルワーカー、学校の先生達が一緒になって専門的 な介入を行っています。
そして、いろいろな形で専門家が入っていくと同時に、地域が子供達をどうケアしていけるかがとても重要です。現地に行かれた方はみなさん同じ様に感じたと思いますが、共同体がそこにあるということが、心に傷を受けた方や災害弱者の方にとって大きな支えになるのです。」

●共同体・コミュニティが、心のケアに役立つのですね?
「共同体と言うと堅苦しく聞こえますが、要はささやかなご近所同士のつながりですね。そういう普段からの結びつきが、何かあった時には非常に強いチカラになる。現地で活動をしていて、共同体がある場所とうまく作れていない場所に歴然とした違いを感じました。例えば、長田区は壊滅的な打撃を受けましたが、以前からしっかりした共同体があったので、避難所でもおじいちゃんが近所の子供達の面倒をみるという様なことが当たり前に行われていました。また、地元の保健婦さんと一緒にある人に薬を届けたんですが、顔見知りの保健婦さんが来てくれたということだけで、みるみるその方の顔色が明るくなってくるんですよ。日頃のつながりが如何に大切かを教えてくれます。それとは対照的に、神戸市の市役所は元々避難所ではないこともあって、共同体ができていない感じを受けました。そこでは、心のケアをしても皆さんなかなか立ち上がれないという印象がありました 」

「災害弱者に対する初動のケアが非常に大切。専門家によるケアはもちろんのこと、共同体・地域のコミュニティが癒しに果たす役割は大きい」ということですね。
ところで、いま三宅島の子供達は、親元から離れて集団生活を余儀無くされています 。その状況を精神科医の立場から、どう思われますか ?

「家族や地域の人々がばらばらに暮らしているという状態は、ちょっとどうかなと思います。大震災で痛感したことですが、共同体は避難所で自然に生まれて来る場合もあり、そういう人々の温もりの中で心が癒されていきます。ところが、仮設住宅に移 るとみんなバラバラになって、せっかく作った共同体が壊れてしまう。そのことを学んだはずなのに、どうして教訓を三宅島の対策に生かせないのでしょうか。
精神科の私から見れば、できるだけ早くお子さん達を家族の元に戻してあげた方が良いし、できるだけ早く地域の方が一緒に生活した方が良い。3000人すべてを一緒にというのが無理でも、いくつかの家族が共に住んで、顔を見ながら、お互いがお互いを確認しながら生活を立て直すということが必要だと思います」

PTSDに関する参考サイト
【子どもたちのPTSD】
  http://www.kobe-np.co.jp/sinsai/sannen/ptsd.html
   
次のサイトには、東京都の「災害時の保健医療体制全般についての強化」が記されており、その中には「PTSDへの対応をはじめとするメンタルヘルスケア」の記述もあります。
【東京都衛生局 保険医療対策の充実】
  http://www.eisei.metro.tokyo.jp/kikaku/hoken/ZENBUN/4SYO33.HTM

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