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身近な危機管理
アメリカのロードアイランド大学でウイルスについて研究をされている竹田さんに日々の危機管理についてコラムを書いていただいています。

■2001.11.21 Vol.14
「狂牛病、新たにみつかる」

アメリカのロードアイランド大学でウイルスについて研究をされている竹田さんに日々の危機管理についてコラムを書いていただいています。
 
67ヶ月の乳牛で狂牛病、牛海綿状脳症が見つかりました。

30ヶ月以下の牛だけが食用とされるはずでしたが、なぜ67ヶ月のものが登場しているのかややわかりかねます。

狂牛病についてたまたま夕方職場でこちらのテレビ番組NOVAのビデオを見ていましたが、悪性プリオンタンパクへの転換は「カンニバリズム(共食い)」と関係があるのではないかという内容のものでした。

乳牛は搾乳のためにかなり構造的に変異させられています。ホルモン剤の投与を今でも行っているかどうかは存じませんが、「スーパーカウ」と呼ばれるものがこのところ出てきているのをご存知でしょうか。
これは遺伝的に搾乳能力の高いものを作り上げた最終ゴールだと言われています。
従来のホルスタインのおよそ3倍の搾乳能力があり、日本の畜産界ではこれを人工授精で増産しています。

プリオンのヒトへの感染は先に、イギリスで「遺伝型があるようだ」という報告をしています。
感染者の遺伝型に相関があったようです。このデータを信用するとして、今のスーパーカウなどの方法は間違っているのではないか?と自分は疑問に思います。
ヒトに感染しやすい遺伝型があるのならば、牛にだってその遺伝型はあると思われます。
しかし、搾乳能力だけに注目して選択された牛の遺伝型は似てくるはずです。

そうなると、少なくとも遺伝的にバラエティーの無い乳牛では、選択によって悪ければ、頻繁に悪性プリオンを作り出してしまう牛だけになってしまうわけです。
現時点ではその可能性は高いといえるかもしれません。
もし、プリオンというタンパク質が、動物の社会性を維持するためのシグナルとして、遺伝的に近いも(近親)のへの警告や何度もリサイクルされつづけるアミノ酸(共食い)の更新を促す警告であるとするならば、家畜の生態系を多様化させなければ、この病原体との出会いは永遠に続くのではないだろうかと予測しています。

根本的に生産性重視の、今の大動物の獣医学と畜産学は見直す必要性があると僕は思います。
【関連リンク】
身近な危機管理-道端からの提案-「狂牛病疑い(これを機に縦割り行政を見直せ)」
身近な危機管理-道端からの提案-「狂牛病疑い-2」 
     
 
 
竹田 努(Rhode Island 媒介性疾病センター アルボウイルス研究主任)
平成7年 北海道大学大学院地球環境科学研究科生態環境学専攻博士課程(博士学位取得)
平成10年 Center for Vector-borne Disease,University of Rhode Island 博士研究員
平成12年 同 アルボウイルス研究主任
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