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身近な危機管理
アメリカのロードアイランド大学でウイルスについて研究をされている竹田さんに日々の危機管理についてコラムを書いていただいています。
■2001.10.9 Vol.8
「A列車でいこう」
アメリカのロードアイランド大学でウイルスについて研究をされている竹田さんに日々の危機管理についてコラムを書いていただいています。
 

10月5日、上野駅で人身事故が起きました。

列車に飛び込む方がおりますが、基本的に列車というのは人や物を運ぶ装置でして、自殺装置ではありません。秋になると自殺する人が増えるそうですが、自殺させないあるいは転落しないホーム工夫は出来ないものなんでしょうか。

JRのホームに立って一番混乱するのは、「どこに列車のドアが来るんだろう?」という点です。
札幌の地下鉄から大阪の地下鉄まで、色々な地下鉄を利用してみますが、列車の扉は大体決まった位置に設置されています。
私鉄でも京浜急行や東急、近鉄、南海、名鉄と乗ってみますが、大体決まった位置ですね。
JRでも新幹線は決まった位置に扉が来るように列車は止まります。

しかし、JRの在来線は各駅電車、急行、特急それぞれ構造が異なり、扉の位置がまちまちです。

新幹線の一部の駅、たとえば新横浜や確か京都のように、ホームに柵が設けられ、転落防止、侵入防止を行っています。
列車が停車しない限り、柵は開かないので、線路のほうに人が侵入することはありません。

恐らく他の私鉄や地下鉄でも、財力さえ許せば、この安全柵を作ることができるのでしょう。
ところが、JRの在来線の駅ではこれはほとんど不可能であります。
なぜなら、列車によって扉の位置が違うのです。

もし、列車の規格をそろえることが出来るのならば、より安全な運行事業が展開できるはずなんですが。

山手線のような環状線の場合の人身事故では、折り返し運転が出来なくなるので、特に大きな支障になります。また人身事故を起こす会社としてその責任を問われます。
如何なる人でも線路に入れないようにするには、安全柵が一番よい方法だといえましょう。
ホーム下に避難場所を作っても、体の不自由な方や、ホームに落下して動けなくなった人には有効には働きません。

昔は、運転手が、白線の内側に入りこんだ客を見ただけで緊急停止したのですが、今の混雑した東京や大阪の駅ではそのような対処をしてしまうと、全く列車が入れませんね。
国鉄時代は鼓膜が破れるかと思うほど大きな笛の音で注意されたりもしましたが、最近は見た目スマートにそんなこともしなくなりました。

しかし、現実的に死傷者が出てしまっては困りますので、安全柵が作れない駅では、昔のように遠慮なく笛を吹いていただけたらと思います。


竹田 努(Rhode Island 媒介性疾病センター アルボウイルス研究主任)
平成7年 北海道大学大学院地球環境科学研究科生態環境学専攻博士課程(博士学位取得)
平成10年 Center for Vector-borne Disease,University of Rhode Island 博士研究員
平成12年 同 アルボウイルス研究主任
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