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身近な危機管理
アメリカのロードアイランド大学でウイルスについて研究をされている竹田さんに日々の危機管理についてコラムを書いていただいています。
■2001.9.21 Vol.6
「旅客機のセキュリティー」
アメリカのロードアイランド大学でウイルスについて研究をされている竹田さんに日々の危機管理についてコラムを書いていただいています。
 

アメリカの飛行機に乗るには国際便では最低2時間半前に、アメリカ国内便も2時間半前に空港でチェックインをしなければならなくなりました。
荷物検査もほとんど完全にバッグの中をあけて見せなくてはならなくなっています。
かなり厳しいです。

何年前か、函館の友人を尋ねて滞在していたとき、お昼頃「臨時ニュース」が入り、ハイジャックを知りました。
東京発函館行き。
犯人は中年男性でドライバーを持っていました。
当時は新興宗教がらみのテロがあった直後で、それ絡みではないか?というデマが飛びました。
あの時、自分は友人から車を借りて、函館空港に向かいました。
「野次馬」ですが、自分としては馴染み深い函館空港でどのようなセキュリティー体制を組むのか興味があったのです。
しかし、結局空港までの一本道路は警察官によって閉鎖されて車では行けませんでした。
その直後、日本の空港ではドライバーなどの持ち込みも許されない状況になりました。
しかし、数年後にはコックピットが占拠され、機長が殺されるという事件がありました。
その時に、日本の空港セキュリティーシステムは、乗り継ぎ便に弱いということがわかりました。
今回、アメリカの空港はいかにセキュリティが甘いかということが分かりました。
かつての状況ではアメリカから乗り継ぎで東南アジアなどへ行く便も、同じような危険性を持っているということが分かります。
東南アジアへの長距離路線で、ジェット燃料を大量に積んだ旅客機で東京に突っ込むというシナリオは考え付きます。

アメリカのセキュリティーレベルは上がりますが、では日本はどうでしょう?
あるいは他国からの乗り継ぎでは、まだ他国のセキュリティーに頼らざる得ない部分がありますから、危険物を持ち込まれてしまう可能性があります。
日本は大きな国ではありませんし、ハブ空港としての役割を果たすとするならば、乗り継ぎ便でも必ず、パスポートと荷物チェックを行うようにするべきでしょう。

毎回ハイジャックや故障が怖くて、ドキドキする旅客機なのですが、今回の事件は全くそれが誇大妄想でもないなと思いました。
金属探知機やX線を使う検査で、何十年もセキュリティーを維持してきたのは奇跡かもしれません。
爆発しなくても乗客、乗務員を眠らせてしまうことで、ハイジャックできてしまう可能性もあります。そのくらい見た目でも判断しきれない危険物は多いのです。

武器はナイフや銃、爆弾だけではありません。

これから、どうしたら良いのか、あらゆる可能性から対処していかなくてはならないでしょう。


竹田 努(Rhode Island 媒介性疾病センター アルボウイルス研究主任)
平成7年 北海道大学大学院地球環境科学研究科生態環境学専攻博士課程(博士学位取得)
平成10年 Center for Vector-borne Disease,University of Rhode Island 博士研究員
平成12年 同 アルボウイルス研究主任
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