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身近な危機管理
私たちの身の回りには無数の危機があります。危機に直面した時、被害を回避したり最小限にくい止めるためには、日頃の適切な備えが必要です。このコーナーでは、そんなひとりひとりの危機管理を考えていきます。

■道端からの提案 2001.11.23 Vol.15
「炭疽菌の犠牲者」

アメリカのロードアイランド大学でウイルスについて研究をされている竹田さんに日々の危機管理についてコラムを書いていただいています。
隣の州で犠牲者がでました。
炭疽菌(肺炭疽)で亡くなったのはコネチカット州のオックスフォードに住んでいる方で、南西部はニューヨーク市のそばで、ウエストナイルウイルスが広がったときも最初の時期に大騒ぎになっていました。

ちなみに、コネチカット、マサチューセッツ、バーモント、ニューハンプシャー、メイン、ロードアイランド州を合わせて総称ニューイングランドと呼びます。
こちらの報道では「初めてニューイングランドで患者が出た」という形で報道されていました。
犠牲者は94歳の高齢で、住んでいるオックスフォードは人口が少ない地域ではありますが、田園というようなところではなく、山間の別荘地と言う感じのお金持ちの町です。
オックスフォードやグリーンウィッチあたりではマダニがたくさん出ますので、今年は出かけていませんが、例年自分は秋にはダニを採りに歩き回っております。

炭疽菌は家畜でしばしば発生する好気性の土壌菌ですが、乾燥する季節に稀に出てくると言われています。
今のニューイングランドは晴天続きですが、大西洋に面しているこの地域は「アメリカはジメジメしていないよね」といわれるさわやかな気候の場所ではなくて、むしろ日本の気候に似ております。
朝晩は霧が出て、夏場は湿度が高く、袋を開けたクラッカーがフニャフニャに湿気ることもあります。この気候では炭疽菌が天然に頻発するのは考えにくいです。

一連の炭疽菌でアメリカでは18人の患者が出ました。内5人亡くなりました。
今でも時々政治家のオフィスに郵便物は届いたというニュースがあります。
犯人はいまだに暗躍しているようです。
どうもアメリカ国内の白人が対象になっているようです。郵便局員以外は対象者は白人でした。

明日はサンクスギビンで家族が集まる日ですが、この頃人々は炭疽菌の話をしたがらなくなっています。
せっかくの休暇にキナ臭い話で水をさしたくないという気持ちからなのでしょう。
炭疽菌の一連は専門家の間では飛行機テロとは違う犯人によるものではないかと言われています。犯人はしばらくトラブルを起こしつづけるのではないかと不安を感じます。

私達の研究室もセキュリティーを高めるようにキャンパス警察の方がいらして、査察をうけました。
厄介な時代です。
【関連リンク】
炭疽菌特集 
竹田 努(Rhode Island 媒介性疾病センター アルボウイルス研究主任)
平成7年 北海道大学大学院地球環境科学研究科生態環境学専攻博士課程(博士学位取得)
平成10年 Center for Vector-borne Disease,University of Rhode Island 博士研究員
平成12年 同 アルボウイルス研究主任
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