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01/10/16 (火) 18:55 更新
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身近な危機管理
私たちの身の回りには無数の危機があります。危機に直面した時、被害を回避したり最小限にくい止めるためには、日頃の適切な備えが必要です。このコーナーでは、そんなひとりひとりの危機管理を考えていきます。
 
■道端からの提案 2001.10.16 Vol.9-2
「生物毒に対する初動の取り組み-2」
アメリカのロードアイランド大学でウイルスについて研究をされている竹田さんに日々の危機管理についてコラムを書いていただいています。
 

もし生物兵器が散布などによって全身に浴びてしまったような状態、あるいは粉末になって四散した埃をかぶってしまった場合、全身のシャワーを浴びる必要があります。
この場合、自分の研究室で事故が起こった場合の方法を紹介しますと、汚された服のままシャワー室に入り、シャワーを浴びながら、上半身から服装を脱いでゆきます。
服が最も汚染されている可能性があるので、ズボンを先に脱ぐと下半身が汚染されてしまうかもしれないからです。また、
脱衣した際に埃が飛び散り、服を脱ぐときにトレーナーのようなものだと目の部分に触れてしまって、目から汚染されることを避けたいので、服のまま全身を洗い出してしまうわけです。
もし服を脱ぐときにはさみがあるのならば、はさみで切って、出来るだけ服は上から下に向かって脱げるようにすることも良いと思います。
首から上はできるだけ汚染したものが触れないように工夫してください。
口鼻から目から病原体が入るのが一番厄介になります。


微生物は宿を見つけられなければ生きることは出来ません。
ポイントは、

1.汚染をうけてしまう微生物量を出来るだけ減らす
2.口などから微生物が入り込まないように努力する
3.出来るだけ洗浄してしまう

です。

3については上記に紹介した方法でよいと思います。
洗い流した後、消毒薬があるのでしたらそれは更に良いでしょう。
漂白剤を薄めて使う方法も紹介されているようですが、どのような物質を受けたか分からない状態で、反応性の高い漂白剤を使うと有毒になってしまう場合もありますので、この場合は消毒用アルコールを勧めます。

では1について、どのように微生物を受けないようにできるでしょう。
一つは傘を持っているなら、傘を使って空中散布を避ける方法があります。
エアロゾルといって、霧吹きのような霧を吹き付けられることがありますが、傘は一つ効果的でしょう。
マスク、めがね、など通常花粉症対策とされているものが常備できるならばベストですが。
テロリストが空中散布をするとしたら、曇りの日か、夜です。
日中は紫外線で細菌が死んでしまうんですよ。
従って、夜間に怪しげな飛行物体やスプレーを撒いているトラックなどを見かけたら、屋内に避難し、窓を閉めることです。
もし屋内で何らかの物質を散布している人間を見かけたら、とにかく近づかないことです。
郵便などで送られるものは、「宛名が正確でない物」「送り主の記名が無い、あるいは心当たりが無い物」などの郵便を開けないこと、振らない事です。

最後に2についてですが、まずは、心当たりのあるような事件に遭遇している場合は、少なくとも、気を落ち着かせるために差し出されても水などを決して飲まないでください。唇の周りにもし微生物がついていたら、水と一緒に体内に入ってしまいます。
また、事件地域の攻撃が単純なものではなく、水などの汚染なども行われている恐れがありますので、事件地域で安全が確認できるまですべて何らかの物質に素手で触れることを避けなくてはいけません。

生物兵器は何らかのアピールのために使われるものですので、症状は決して軽いものではありません。
すべての感染症には潜伏期間がありますので、事件直後は大丈夫だと思っても後で大変な状況になることがあります。
従って「自分は大丈夫」だとは思わず、現場にいたすべての人、対策に関わった人すべてについて診察を受け、適当な処置を受けてください。
しかし、実際に発病しなかったり、回復した場合は、それ以上の不安を持つ必要はありません。
人間の病原体に対する治癒能力や回復能力は、馬鹿げた殺人者達の想像をはるかに越えて強いものであり、私達は通常の生活を取り戻すことが出来ます。
決してあきらめず、また決して油断せず、健康を維持してください。
私達一人一人が自分で身を守る努力をすることにより、この場違いな試みに打ち勝つことで、試みをした人間達に反省を与える大きな機会になります。

頑張りましょう。

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竹田 努(Rhode Island 媒介性疾病センター アルボウイルス研究主任)
平成7年北海道大学大学院地球環境科学研究科生態環境学専攻博士課程(博士学位取得)
平成10年Center for Vector-borne Disease,University of Rhode Island 博士研究員
平成12年同 アルボウイルス研究主任
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