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冨田きよむが見る - 「バンコク情勢」(4)バンコクのデモ 日本人カメラマン殺された翌日。 10.04.11 19:13


冨田きよむが見る - 「バンコク情勢」(4)バンコクのデモ 日本人カメラマン殺された翌日。 特派員 冨田きよむ

むなしさが残った。
朝一番で、村本博之さんのご遺体が安置されているセントラル病院にいく。
1時間ほど待たされたが、おわかれをすることはできた。
銃創は、真正面から。左鎖骨から5センチくらいから入り、背中にぬけている。
大きさは10mmに満たない。
右手を「く」の時に曲げこぶしは握り締められていた。
カメラマンは、覚悟の上現場に入る。
危険であることはわかっていて入る。
立ち入り禁止区域だとわかっていてもはいる。

電車もバスも地下鉄も止まっているので、手段は限られる。
バイクタクシーを捕まえて説き伏せるしかない。
通信社であれば自前の車両が利用できたかもしれないが。

なぜこれほどむなしいのかを考えた。
政府も反政府も、つまりどっちもどっちなのだ。
民主主義をよこせとスローガンに掲げているが、
脱税や、不正蓄財など、首相当時汚職にまみれてクーデターを起こされて転覆したのが今回の反政府集団UDDのタクシン氏。現在どこに潜伏しているのかも不明といわれる。

一方、現政権にしても、不正選挙・汚職などの敵失によって権力の座に着いてはいるが、5党連立政権で、選挙改正などの憲法改正問題で権力基盤は脆弱だといわざるを得ない。どっちにしても大手を振って国民から正当に選ばれたといえるかどうか微妙だ。

つまり、やっぱりどっちもどっち。
圧制や弾圧を跳ね返すための戦いだとは言いにくい側面がある。
そのなかで、村本さんは殺された。
新聞では流れ弾に当たった不幸な事故だなどと書かれているが、
ゴム弾とはいえ、正確に心臓付近を打たれた身としては、狙い撃ちだと思えてならぬ。

ビルマの長井さん同様、今回も兵士によって真正面から打たれている。


一夜明けた現場は、軍の装甲車が7輌、トラックなど4輌が置き去りにされ、見るも無残に転がっていた。
市民はそこに集まり気勢を上げている。
撃たれた場所には人が集まり、祈りをささげていた。

涙が止まらないのは、昨夜浴びた催涙弾のせいだけではない。

村本さんの殺された場所は、皮肉にも「Democracy Monument Park」という名前だ。

wrote by Kiyomu Tomita.


[リンク] 冨田きよむ氏による取材写真 「Bangkok riot on May 10, 11,2010」


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