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2010年3月号(2)チリ地震津波の避難問題を考える
◆注目トピックス:チリ地震津波の避難問題を考える◇「1960年チリ地震津波」報告書を公表
先月27日、南米チリ沿岸でマグニチュード8・8の巨大地震が起きた。この地震で津波が発生し、チリ沿岸部を津波が襲い甚大な被害がでた。
この地震の発生を聞いて、今から50年前のチリ地震津波を彷彿した人も多かったのではないだろうか。
1960年、今回の震源近くで観測史上最大のM9・5の地震で、当時はチリで起きた津波が日本に被害をもたらすという認識がなく、不意打ちで日本に津波 が襲来、死者・行方不明者142人を出している。
このチリ地震津波の被害や教訓などを、内閣府「災害教訓の継承に関する専門調査会」が今年1月、報告書にまとめてホームページで公表しているので一読し てみてはどうだろうか。
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/kyoukun/rep/1960-chile%20JISHINTSUNAMI/
◇浮き彫りになった課題
今回のチリ地震でも、津波は日本にも押し寄せ、久慈港(岩手県)と須崎港(高知県)で国内最大となる1・2メートルの津波を観測したほか、太平洋の広範囲で津波を観測した。
幸い津波による人的被害はなかったが、養殖漁業に大きな被害をもたらした。
津波関連のニュースを読んでいると、「津波予測」「養殖漁業の被害」「避難の問題」と3つの話題が中心に報じられ、いくつかの課題が浮き彫りになった。
◇避難率の低さ
今回の地震で気象庁は28日午前、太平洋沿岸で最大3メートルの津波が押し寄せる恐れがあることから、青森・岩手・宮城の太平洋沿岸に大津波警報、そのほかの太平洋沿岸に津波警報を発令した。
警報の発令を受け自治体は、沿岸部の住民に避難指示・勧告を発令するなど避難を呼びかけた。しかし、避難の実態は、総務省消防庁の発表資料(3月8日12時現在)によると、避難指示が出された地域で6・5%、避難勧告が出された地域で2・6%という避難率だった。
避難率の低さは以前から指摘されていたことで、決して驚くような結果ではない。どのように避難を促すかはまた難しい問題なので、今回はそのことには触れないでおく。
◇地域で避難者把握を
消防庁が発表した避難者数は、避難所に避難した人や高台に避難して自治体で把握できた人数で、高台の親戚や知人の家に避難していた人も多くいたがその人数は反映されていない。
「避難=避難所に避難」という構図が前提なので、避難所以外に避難した人の実態が把握できていないのが実情だ。しかし、このことも一つの問題であり課題ではなかろうか。
例えば、津波で住宅が被害を受けたとき、そこの居住者の避難実態が把握できていないと避難の有無に関わらずが捜索必要になるが、避難していることが確認できていればその必要はなくなる。
避難は危険な場所から安全な場所へ移動することであり、避難所に避難することではない。避難者がどこに避難するのか、地域の自治会などで把握することができれば、万一被害を受けたあと、無駄な時間を費やす必要がなくなるのではないだろうか。
※写真はイメージです。本文とは直接関係ありません。
















