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09.11.04

我が愛すべきお助け隊員の真実(2)

 このように、普段頭をなるべく使わないように生きているから、まとめて使うと体に悪い。コリクツこくのが一番嫌いだから、考えてるひまに走るタイプだからなおのこと。

 有珠山ネットというのは、結構頭のいいやつがいるんだ。冨田が最も気を使うというか、このヤローと思っているのが、このスペースを与えて、好きなことを書かせて、しかも原稿料までくれてやろうという、レスキューナウの市川君である。もちろん、普段は市川!!と、呼び捨てである。しかもビックリマークが最低でも2個はつく。
 何でかというと、市川は頭いいぞー、俺は算数5だったからなー、偏差値だって75だったぞー、という感じなんだ。実際にどうかはしらないけれども、頭よさそうに見えるんだ。

 冨田は、自慢するわけではないけれども、生まれてこの方頭がいいねといわれたことなど一度だってなかったし、むしろ、おまえみたいにバカなやつはちょっといないね、といわれて育った。で、親戚中教師という家に育ったものだから、性格が曲がってしまった。そりゃあもう先生の家なんてえものは、これはもう最低最悪のことが非常に多い。先生という生物群は、自分が一番だと自信と確信をもっていることが多くて、だけども実際はその正反対であることが多い。
 なもんで、その中に明らかに知能程度の劣る少年冨田が混じると、目立つにいいだけ目立ったのである。かような、悲しい過去をもつ身としては、頭よさそうに見える人が苦手で、実は嫌いなんだ。

 最初にきたお助け隊員が、市川とその丁稚であった。

 頭よさそうだなー、と思ってたんだけど、それは一日もちませんでした。やっぱウスラバカでした。
飯のときにビールを飲んだ。夜だからまいっか。ということで。
 冨田は、市川は一応東京からきたんだし、こりゃあ、なんか食わしてやっかと思って、市役所のすぐそばのセブンイレブン(セブンイレブンさん、スポンサーになってもいいよ)にいって、弁当とビールを買ってきた。するとすでに市川は飲んでいた。それも、いつ誰が残したのかわからない、テーブルの隅に転がってた、きわめてぬるいカンビールを!!
「市川、冷たいビール買ってきたから、そったらもん飲まないで、こっち飲め」
「いえ、こっちでいいです。まだ2本ありますから」
「ばーか。いいからこっち飲め」
「もったいないですから」
すると、市川の丁稚は、
「僕冷たいほうがいいです」
と、冷たいやつを飲み始めた。
 市川隊員の現地での第一日目の夜は、冨田にバカにされつつ、冷たいビールを飲みつつシンクパッドに向かってしんしんとふけてゆくのでありました。
「おまーら、寝ろ!!」
といわれつつ、リポートを書いておりました姿を、冨田は忘れない。忘れないけれど、この日以来、レスキューナウの市川といえば、ぬるいビールということになって、これは避難所でも有名なことになったのであります。
 ちなみに、市川は東京で消防団に入っているということで、これはますますおかしげなやつである。

【M蘭市職員、ごとー氏&"ぬるいビール"市川氏】
ichikawashi.jpg

 こういう風に、何かを決めるということが非常に多くなった・・・・? おまけに人と会う機会がものすごく増えたので、精神的ダメージというものが増えた増えた。
 精神的ダメージというのは、主に頭部に集中的に顕在化する。心身の疲れ、精神的な重圧、決断を繰り返すストレス・・・。こういったものが、一番使っているところ、つまり頭部に集中するのは、これはもう議論を待たない。
 ありていに言えば、髪の毛が抜けるのである。で、冨田の場合抜けると同時に白くなるのである。
 習慣ポルノ・・・ありゃりゃ週刊ポストに写った己が頭を見てびっくりした。真っ白じゃねーか!おのれ小学館め、レタッチしたなーと思って鏡を見て、びっくりした。
真っ白だ・・・。

 皆さん、噴火というのは髪の毛を減らすんです。

 と、以上のようにマフィアの巣窟は見事に運営されており、現在はこれにFM放送局までが入り込んできて、くんずほぐれつの死闘が日々演じられているというのが実態といえば実態である。
 今後、有珠山の状態によってどうなるかわからないのだが、ここ当分の間、長い休みもないので、静かな日々が続くのではなかろうかと、冨田はひそかに油断しているのところである。

2000年5月10日

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tomitan1.jpg2000年3月31日、有珠山が噴火しました。有珠山噴火災害に関して、過去のどの災害とも大きく異なっている点がありました。それは、本格的な「インターネットによる全国的な情報ボランティアネットワーク」の誕生。「被災地からの、市民の、市民による、市民のための情報発信」というこれまでに無かった活動を、インターネットを通じて日本全国から集まった有志達が、陰ながら支えるという重要な役割を果たしています。そのため、今後の災害時の市民情報発信の在り方を考える上でも非常に重みのある活動となっているのです。これは、この「有珠山ネット

」の立ち上げに深く関わり、自ら「隊長」として代表を務める冨田きよむ氏によるコラムです。

※この記事は、2000~2004年頃の「rescuenow.net」に掲載されたものを再掲載したものであり、筆者の所属や登場する団体名等は、このコラムの執筆当時のものです。

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