安全・防災コラム

わが身にふりかかる花粉の恐怖! 02.11.20 16:28


「花粉症の予防法と対策チェック」

 今ここにある「危機」、花粉症。
 スギ花粉飛散数:「非常に多い」が続くこの時期、今まさにスギ花粉のピークです。朝目覚めて、空がさわやかに晴れ上がり風が強かったりしたら、もう外に出るのがコワイ。立て続けに出るクシャミと、滝のような鼻水で、顔はぐしゃぐしゃグショグショ。のどはひりひりするし、目のかゆみといったら目玉を取り出して洗いたいくらい。重症になると頭痛やのどが腫れたり、全身がだるくなったりもします。不快でイライラするから、物事がいつもの様に運ばなかったりして、それでまた余計にイラつくし、鼻がつまって寝苦しく、睡眠不足にもなりがち...。
 当然、仕事も勉強も効率ダウン。社員の1人が1時間に10回鼻をかんだとしたら、1回の鼻カミに30秒費やすとして1時間に300秒のロス。1日8時間労働でざっと40分ものロスになるわけだから、国民の10%以上(東京都民では5人に1人)が花粉症患者と言われる日本全国では、かなり生産性が落ちる計算になる。とまあこれは即興の試算ですが、現に、環境省でも「仕事、勉学や日常生活に与える影響などによる社会的損失は大きいと考えられ、治療を受けていない人の労働損失は年間約100億円にのぼると推察される(科学技術振興調整費の生活者ニーズ対応研究から)」と花粉症の社会的影響について言及しているのです。
 こうしてみると、花粉症は身近な「危機」の一つだといえるでしょう。自分は花粉症には無縁だからという方も、決して安心はできません。いつ何時、突然始まるかもしれないし、全く予測不能。花粉が一度発症すると自然には治るのはわずか2~5%で、若い時に始まった花粉症が、老年期まで続くことも少なくないというのですから。

●花粉症対策チェック
 すでに花粉症の方は、少しでも苦しみを軽減すべく、様々な方法でこの危機に立ち向かわれているはず。花粉のピークを乗り切るために、ここでもう一度日常生活をチェックしてみましょう。
□外出時、マスクとメガネを忘れずに
(マスクは花粉防止用マスクが効果的。普通のガーゼマスクなら中のガーゼを水で湿らせる。サイドカバーが付いたメガネやゴーグルはより効果的)
□コートは、花粉の尽きにくい表面が滑らかな素材のものを
(起毛したウール素材などは花粉が尽きやすい)
□屋内に入る時は、洋服や髪の毛についた花粉をよく払い落としてから
□屋内に入ったら、まず、うがい・手洗い・洗顔を
□鼻うがいをしよう
(ぬるま湯コップ1杯に天然塩をひとつまみ入れたものを、片方の鼻の穴からズズッと吸い上げてから吹き出す。その時もう一方の鼻の穴は手でおさえて塞いでおく。専用の鼻洗浄器具を使用するとより効果的)
□掃除は花粉の少ない朝のうちに。室内に入ってしまった花粉は、舞い上げないように掃除機かぬれ雑巾やモップで拭く
□昼間はなるべく窓を開けない
□花粉が大量に飛びそうな日は布団や洗濯物を干さない
□お酒、タバコ、刺激物は症状の悪化につながるため控える
□のどと鼻を乾燥させない
□室内を暖め過ぎない。ただし、身体は冷やさないようにしよう
□風邪をひかないよう注意する
□疲労やストレスをためないよう心がける
□くしゃみ、鼻水が止まらない時は、水で濡らしたハンカチ・タオルなどで鼻を冷やそう
□なるべく早めに医療機関で治療を受ける
(スギ花粉症と自己診断していても、実は別のアレルギーの場合もある。また、症状に合った薬の選択、量や飲み続ける期間なども医師の指導を受けた方が安心)
□症状をおさえるために市販の抗ヒスタミン剤やステロイド剤などを服用する際は、副作用がある場合もあるので、決められた薬の量や回数、注意事項などをきちんと守る
(鼻スプレー、点眼薬などの場合も同様)

●スギの季節が終わっても安心はできない!?
 4月下旬頃になるとスギの飛散量が減少し、やっと普通の生活に戻れる...はずが、かえって症状が悪化する場合があります。もしそうなら、「ヒノキ花粉症」かもしれません。スギとヒノキは花粉の中のアレルギーを起こす成分に共通性があり、実際にスギ花粉症患者の約7割がヒノキ花粉に対するIgE抗体を持っているというのです。ヒノキ花粉はスギより遅れて飛び始め、終わるのもスギより遅れるので、5月になってもつらい症状が続くことになります。西日本ではヒノキの飛散数がスギを上回る場合もあるというから要注意。

●来シーズンのこの危機に備えるには
 一度なってしまたら自然に治ることはほとんど期待できないというのだから、黙っていれば来シーズンもこの不快な日々がやって来きます。何とかならないのでしょうか、花粉症。かなり積極的な予防法としては、「減感作療法」で体質改善を行う、「手術療法」で鼻づまりを起きにくくするなどの医療があります。「減感作療法」とは、スギ花粉抗原を週に1、2回皮内注射し、徐々に量を増やしていくことで過敏反応を抑えるもの。少なくとも2年間は続けることが必要で、有効率は約60~70%といいます。
 新たな治療法として注目されている「レーザー療法」は、鼻内部のアレルギー反応を起こす部分をレーザーで焼き切ることで、鼻を通し鼻水を出にくくするという治療で、一度施術すれば1、2年間は花粉に反応しにくくなるといいます。来シーズンに備えるには、年末頃までに治療するのが良いそうだ。
 そこまでやるのはどうも...という方には、花粉が本格的に飛び始める2~4週間前から抗アレルギー剤を使用するのが一般的な治療法。もちろん、医師の処方の基に行うのが望ましいでしょう。西洋医学はちょっと...という方は、今のうちから漢方医に相談しましょう。そして、忘れてはいけない予防法は、「健康管理」。花粉のシーズンに備えて抵抗力を高めるためには、外気浴や乾布まさつ、水泳、体操、ジョギングなどが有効です。また、日頃から偏食をしない、十分な睡眠をとって疲労やストレスをためない、風邪をひかないよう注意することなどが、花粉症の症状を軽くすることにつながるといいます。

●花粉症歴20数年の筆者の場合
 まだ「花粉症」という言葉がなかった中学生の頃、私はクラスでただ一人、学年末試験にはいつも滝のような汗じゃなくて鼻水を流していました。毎年この季節は、ひたすら耐えに耐えて乗り切り、おかげで春が嫌いになったほどです。30代になってやっと耳鼻科のアレルギー科を受診したところ、アレルギーはスギ花粉だけでなく、ハウスダストとブタクサ、ネコの毛にもあることが発覚。減感作療法を2年半続け、「もう大丈夫」と言われながら、今も症状は出ています。以前ほど重症ではありませんが。
 そんな私の自己流花粉症対策は、鼻うがいの励行(上手くできなくても何となく鼻の中が洗えるとムズムズが軽減)、ミントティー(すっきりして鼻が通る)を飲む、お風呂の湯気やお湯を湧かした蒸気を吸う(温度と湿度が気持ち良い)、熱めのシャワーを首と背中の境目あたりにかける(不思議と鼻が通る)、ラベンダー・ユーカリプタス・ティートリー・ローズマリーをブレンドしたアロマオイルを焚くなど。即効性なら飲み薬や点鼻薬に求めます、こうした自己流にも鼻がスッとしたり不快感がやわらぐ効果があるようです。 

(文:大和田瑞穂)
   


<参考サイト>
慈恵医大耳鼻科の花粉症のページ
環境省 花粉症保健指導マニュアル
花粉症の民間療法について(厚生労働省)
花粉一口メモ(東京都福祉保健局)

※この記事は、2000~2004年頃の「rescuenow.net」に掲載されたものを再掲載したものであり、筆者の所属や登場する団体名等は、このコラムの執筆当時のものです。

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