安全・防災コラム

目に見えない塩素ガス 01.07.18 16:46


「混ぜたら危険! 塩素ガスに注意」

 2001年5月30日、目黒区青葉台3丁目にあるフィットネスクラブで異臭が発生する事件がありました。
 異臭の元は塩素ガスで、不純物沈殿用に使用していたと考えられる「ポリ塩化アルミニウム」に、「次亜塩素酸ナトリウム」を誤って混入したために発生したものでした。
 身近なところで発生する塩素ガスについて、どのように対処すればいいものでしょうか。

 以下は、切明@公衆衛生ネットワークさんのお話です。

 この事件は、ガスの吸入に伴う症状が主なようです。もともと、塩素は海水や水道水にも入っている安全な殺菌成分ですが、大気中の許容濃度は1ppmですから、かなり薄くても刺激等の症状が出るようです。
 空気より比重が重い塩素ガスは、地下等に溜まって酸欠の原因になります。願わくば、塩素ガスが発生する危険のある設備は屋外に設置していただくか、万が一の塩素ガス発生に備えて換気装置も整備して欲しいですね。
 今回の事件では、もしもプールが地下にあり、塩素ガスを発生した装置もまた地下にあったとしたら、塩素ガスによる害と酸欠によって死亡者が出た可能性もありました。
 
吸入した場合の症状は?
・灼熱感、息切れ、咳、頭痛、吐き気、めまい、息苦しさ、咽頭痛
症状は遅れて現われることがある
 
予防するには?
・呼吸用保護具(ガスなどを防ぐマスクのようなもの)をつける
・密閉系および換気をする
 
応急処置は?
・新鮮な空気を吸い、安静にする
・半座位にさせる
ベッドに寝かせた状態で、頭・背中の下に枕や布団を詰め込んだうえ、上半身をやや起こすこと。これは、塩素ガスによる肺水腫の予防・治療のためです。肺水腫とは、平たくいえば、高濃度の塩素ガスで肺の細胞が壊れて肺に水が貯留し、呼吸が苦しくなる状態です。半座位は重力を利用して肺に水が貯まらないようにするための体位です。
・必要な場合には人工呼吸をする
・医療機関に連絡する
 
 一般的にも、家庭の洗剤と漂白剤の混用により塩素ガスを発生させてしまったり、日常生活でも遭遇することがあるかもしれません。ご使用の際は説明書をよく読み、換気をしましょう。
 
【関連リンク】
毒物又は劇物の漏洩・流出事故詳報一覧/平成13年度(国立医薬品食品衛生研究所 化学物質情報部)
塩素について(国立医薬品食品衛生研究所)

※この記事は、2000~2004年頃の「rescuenow.net」に掲載されたものを再掲載したものであり、筆者の所属や登場する団体名等は、このコラムの執筆当時のものです。

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