なぜ事故は起こったか-JR新大久保駅事故(1) 01.02.15 14:26
「痛ましい事故が起こった背景」
2001年1月26日に発生したJR山手線新大久保駅の事故はどのようにして起きたのでしょうか。徐々に状況が判明するにつれて、この事故が避けようのない条件が揃って起こっていたことがわかりました。
1.線路の左右とも壁面 のような形で、とっさの際の逃げ場がなかった
鉄道のホームは、黄色い(白い)線の下辺りが空間になっています。もともと退避用にある空間ではありませんが、転落してもその空間に転がり込めば、直接電車に当たることはありません。しかし、事故のあったJR新大久保駅のホームの場合、空間にはなっておらず、壁面となっていて入り込むことができない構造になっていたのです。
一方、ホームとは反対側は、事故現場は道路(大久保通り)の上に立体交差する形のいわば「鉄橋」で、橋のガードが壁のように立ちはだかっており、こちら側も逃げられない状態でした。
なお、線路上からホームまでの高さは、1m10cmでしたが、助走を付けるならともかく、瞬時にジャンプしてよじ登れる高さではないのではなかったのでしょうか。

2.列車は80m手前まで迫っていて、 70km/h近いスピードだった
現場は、ホームの先端から28m程の地点で、電車はブレーキがほとんどかかっていない状態の70km/h近いスピードが出ており、ホームに飛び降りた時点で列車は80m手前まで差し掛かっていました。しかも運転士が異変に気づいたのが現場から40m手前だといいます。
70km/hだとすると、電車は1秒間に19.4m進むので、およそ2秒で現場に到達する計算になります。仮に非常ブレーキをかけても、2秒では手前で停止はできないし、仮に飛び降りた時点の80m手前で気づいてブレーキをかけていても、到達時間は 単純にその2倍の4秒となり、この場合も手前での停止は不可能です。
参考までに、非常ブレーキをかけて止まるまでの時間は、天候や乗車率、何両編成なのかにもよるが、降雨なし、11両編成、乗車率は100%として、一般に13~14秒程度ではないかと推定されます。
実はこの新大久保駅事故後も、泥酔してホーム下に転落した乗客や、貧血でホームから転落した乗客を救出しようと、とっさの判断で救出に降りる人が後を立ちません。
もしも、目の前で誰かがホーム下に転落したら...そんな時はどうすればよいのでしょうか。












