カキ料理
これから真冬にかけておいしくなるものにカキがあります。グリコーゲンを豊富に含む食品で、これがカキのうまみ成分で、1月から4月にかけてこのグリコーゲンが増えてきます。海中のカキは1時間に20Lの海水を吸い込んで、その中のプランクトンをえさにしています。生息域がSRSV(小形球形ウイルス)に汚染されると、SRSVを中腸腺に蓄積します。SRSVはカキの中では増えません。つまり、カキによるSRSV食中毒防止には、カキの鮮度は関係ありません。そのカキがSRSVを持っているかどうかです。どこで採れたカキか、採れた時期が重要になります。
ただし、安全な地区や時期についてのデータが不足している状態です。つまり、現在は生カキは非常にリスクが高い食品です。
●生食のカキのリスク
どうしても生のカキをという時は、一定のリスクを覚悟して、次の事に注意して、提供するなり食べるなりしてください。
・生食用カキを使用し、採取海域表示を確認すること。
・年により、時期によりSRSV食中毒の発生は異なります。新聞を注意して、冬場小さな食中毒の記事が目に付きだしたら、カキの生食を止めること。
・コース料理、団体向けには生カキを控えること。
・食中毒保険には加入しておくこと。
●注意すべき食中毒細菌
SRSV(小形球形ウイルス)
<症状>
潜伏時間は24~48時間で、下痢、吐き気、腹痛、発熱(38℃以下)が主症状です。通常3日以内で回復します。感染しても全員が発症するわけではなく、発症しても風邪様の症状ですむ人もいます。 抵抗力が落ちている人や乳幼児では、数百個程度のウイルスを摂取することで発症します。
●食中毒を防ぐための注意点
・潜伏時間は24~48時間で、下痢、吐き気、腹痛、発熱(38℃以下)が主症状です。
・通常3日以内で回復します。感染しても全員が発症するわけではなく、発症しても風邪様の症状ですむ人もいます。 抵抗力が落ちている人や乳幼児では数百個程度のウイルスを摂取することで発症します。
・カキの生食を避けること
・カキなどの二枚貝は中心部まで十分に加熱してから食べること。
・加熱して食べる食品は中心温度72℃で15秒以上加熱すること。
・感染者の便、おう吐物には接触しない。接触した場合は十分な洗浄と消毒を行うこと。
・調理する人は用便後や調理前にはよく手を洗浄し、消毒を行うこと。
・下痢や風邪に似た症状がある場合には、調理に従事しないようにすること。
・マスクや手袋の着用を習慣づけ、調理中はおしゃべりをしないようにすること。
・清潔な機械・器具、容器を使用すること。
●東京都市場衛生検査所の調査で
・生食用カキにおいてSRSVの陽性率の高かった時期に都内で食中毒が多発した。
陽性検体は検査日前後に発生した中毒のカキと採取海域等で関連があった。
・陽性検体は、冬季12~2月に出現し、低水温時には、カキのSRSV排出能力の低下及び中腸腺への蓄積が起こると考えられる。
三重県の調査研究では、カキによるSRSV感染症の発生は、1月~3月に集中しており、浄化によっても、SRSVを完全に除去できないということだ。1月~3月にSRSV感染症が多く発生する要因として、水温が 低下しろ過水量が低下し取り込まれたSRSVが消化または排出されず残留するのではないか。
12年1月、福岡市博多保健所では、カキによるSRSV食中毒が全国的に頻発していることから、カキの生食を提供していると思われる飲食店に電話をして注意を喚起することにより、その後のSRSV食中毒の防止に役立った。
以上の調査研究等から、2,3年後には、安全なカキの生食が提供できるのではと考えられるが、現時点では、カキの生食はたいへんりスクの高い食品と思う。
【参考資料】
全国食品衛生監視員研究発表等抄録 平成12年度
市場内に流通する生食用カキのSRSV汚染調査(東京都市場衛生検査所)
かき採捕海域でのSRSVの汚染調査及び浄化試験について(第2報)
三重県南勢志摩県民局保健福祉部志摩支部
三重県科学振興センター保健環境研究所
【関連リンク】
SRSVの症状
病原微生物検出情報11年
食品衛生学
カキ料理の季節です
【参考リンク】
カキ鍋、土手鍋、潮鍋、焼きカキ、カキフライとカキのおいしい料理法があります。安全においしいカキを食べましょう。酢ガキ、生カキだけがカキではありません。
全日本鍋物研究会
これも鍋?あれも鍋!
※九州の保健所で食品衛生監視員をなさっている西村雅宏さんにご協力いただき、ご自身が発信しているメールマガジン「食中毒の防ぎ方」を当コンテンツでも連載しています。
西村雅宏(にしむらまさひろ)
食品衛生監視員歴16年。数多くの事例を通して実感するのは、食中毒の原因のひとつが情報不足による、ということだった。現場から知り得た ノウハウを伝えることで、少しでも食中毒を減らすことができるのではないか、という思いから食中毒予防に関するメールマガジンを発信している。














