- ホーム
- ブログ
- 有珠山ネットの威力!
- 我が愛すべきお助け隊員の真実(1)
我が愛すべきお助け隊員の真実(1)
いろいろと考えることが多くなった。普段は頭をほとんど使わないようにして、本能の赴くままに生きているので、少々しんどい。しんどいけれども、決めること、冨田が直接判断しなくてはいけないことが、非常に多い。
非常にというのは、つまり「常ならぬ事柄」という意味だから、これは一つの異常な事態をあらわしている。いつもならばこの時期、バラの剪定もとうに終わって、追肥などを施し、さてさてちょっとゆっくりかなあ、などと思って有珠山を眺めているころなんだ。
有珠山ネットにはスタッフというものは存在しない。あえていうと、冨田だけである。常駐のスタッフはいないけれども、その辺をうろついている人がいて、たとえばそいつがパソコンを使えることがわかったら、捕獲してくる。あるいは、よその従業員だとすると、たとえばそいつが公務員だろうがなんだろうが、お構いなしに、逮捕して、別名マフィアの巣窟と呼ばれる本部事務所に監禁することにしている。
マフィアだから拉致監禁などお手の物である。
マフィアだからいわゆる民主主義の世界ではない。
「たいちょー、さっき言ったことと違うじゃないですか」
「たいちょ―、そのときの気分で物言うのやめてください」
そんなクレームを言おうものならば、
「おまーなんかいらんから、帰れ」
と、罵声を浴びせることにしている。
ちょっと仕事が遅いと、怒鳴る。
「おまー、ぼらんてあさんかあ?」
「遅いんだったらあほでもやる。早くやれ。そったらもんは2分でやれ」
もうめちゃくちゃである。
冨田はすでに皆さんご存知のことと思うけれども、パソコンは苦手である。LANなんぞ、自分では設定できない。覚えようとも思ってはいない。どうしても設定を変える必要が生じるまでは少々不自由でも我慢して使って、限界がきたら、
「ごとー。設定してくれ」
と叫べばいい。
えーと、見栄を張って間違えました。「してくれ」なんていう丁寧な言葉ではありません。「設定しろ。今すぐやれ。2分でやれ」でした。
この「ごとー」というのは、M蘭市役所の職員で、なかなか鋭い目をした気合の入ったいい若い衆である。こーゆーのが一匹いると非常に役に立つ。パソコンのことはとにかく詳しい。冨田はひそかに尊敬さえしているのである。
惜しむらくは冨田のところの従業員ではないので、毎日はこない。こういうやつは、絶対に出世するか、全然しないかのどちらかである。出世するとしたら、助役くらいまでは確実に行くし、しないとしたらいいとこ係長でとまる。
いずれにしても、M蘭市はいい人材を持っている。なんにでも使えるというのはいいことだし、しゃべったことは絶対にやるというのも、なかなかできることではない。少なくとも、冨田はしゃべるけどやらない、やりたくない、できることなら逃げ出したいという人生を送ってきた。「ごとー」は、なかなか立派なやつである。いい嫁でももらいたいものである。
と、まあこういう風に、わがまま放題のことをやってるもんだから、巣窟に人の出入りが絶えない。いまさら冨田ごときが何を叫ぼうが、怒鳴ろうが、めーれーしようが、誰もまともに相手にしなくなった。馴れというのは恐ろしいものだ。人間の適応力には限度というのはないようだ。
そもそも、「隊長」とは呼ばれるものの、尊敬されているということでは、ありえない。その発音はどう聞いても「たいちょー」と、これは間違いなくひらがなの発音、もしくは、「タイチョー」と、カタカナの発音である。零細企業の「カチョー」くらいなかんじだ。
何でわかるかって?
声にちゃんとルビが振ってあるんだよ。
名札も「たいちょー」である。えらくも何ともない。えらくも何ともないのに、やたらと決めることが多い。判断することが多い。普段はほっとかれるのに、最終的に決めるのはおまえだかんな、という姿勢を崩そうとは、誰もしない。
冨田としては、適当に誰かが勝手に始めて、無事終わってくれるのが最も快適なんだけれども、どうもそうはいかないものらしい。
**********************************
2000年3月31日、有珠山が噴火しました。有珠山噴火災害に関して、過去のどの災害とも大きく異なっている点がありました。それは、本格的な「インターネットによる全国的な情報ボランティアネットワーク」の誕生。「被災地からの、市民の、市民による、市民のための情報発信」というこれまでに無かった活動を、インターネットを通じて日本全国から集まった有志達が、陰ながら支えるという重要な役割を果たしています。そのため、今後の災害時の市民情報発信の在り方を考える上でも非常に重みのある活動となっているのです。これは、この「有珠山ネット














